第2章 【海水浴!ナンパだホイ!】菊丸英二/夢主
反則だろーーー!?、それーーー!!!
口元を手で覆い、ニヤけそうになる顔を慌てて隠す。
だって、小宮山、大胆なんだけど、可愛すぎる・・・
小宮山の水着姿を前に、身体を固まらせたまま、しばらく動けなくて・・・
そんなオレに、あ、あの・・・?、そう小宮山が戸惑いの声を上げる。
「おい、あれ・・・」
「おぉー・・・」
ふと耳に届いたそんな声。
チラリと視線を向けると、後ろを通る男二人が、小宮山の水着姿を横目で見ていて・・・
はっとして慌てて自分のラッシュガードを小宮山にはおらせる。
脱がすことばっか考えてたのに、まさか着せることになるなんて・・・
でも、小宮山の水着姿を他の男がエロい目で見るのなんて、絶対、許せなくて・・・
「あ、あの、英二くん・・・?」
「小宮山はこれ脱ぐの禁止!、パラソルの中から出るのも禁止!、絶対だかんね!!」
「え?、でも、それじゃ・・・」
「でも、じゃないの!、いい?、小宮山はオレの言うこと黙って聞いとけばいいの!、分かった!?」
自分でも無茶苦茶な要求を言ってんのはわかってんだけど、やっぱり小宮山が他の男に見られるのは嫌で・・・
だって男なんて、海に来たら水着の女に鼻の下伸ばして、携帯で盗撮したり、ナンパしたりするに決まっていて・・・
そんなこと考えれば当たり前なのに、小宮山と海に来ようなんて、バカバカ!、ほんとオレのバカ!!
「英二くんがそういうのなら、私は構いませんけど・・・」
戸惑う小宮山の腕を引いて、強引にパラソルの下に座らせる。
辺りを見回して、小宮山を狙うフトドキな野郎がいないか目を光らせる。
ぜーったい小宮山には指一本触れさせないんだかんな!、そう目に付いた男どもをあからさまに威嚇した。