第2章 【海水浴!ナンパだホイ!】菊丸英二/夢主
「小宮山、まだかにゃー?」
ビーチパラソルを設置終えると、いよいよお楽しみの水着に着替える。
・・・って言っても、オレは服の中に着てきちゃったから、スイカの形のマットに空気を入れながら小宮山を待ってるんだけど・・・
小宮山、いったいどんな水着だろ・・・?
辺りをキョロキョロ見回して、たくさんの女の子たちを眺める。
スタイルがいい子も、ちょっぴり残念な子も、みんな夏の海の雰囲気に開放的になっていて・・・
はにゃー、いい眺めー・・・なんて、ついつい顔がにやけてしまう。
って、ダメダメ!、今日は小宮山との海水浴を楽しむために来たんだから!
いくら小宮山だって、他の女に見とれてたら、いい顔しないよにゃ?
慌てて首を振って、頭からイカガワシイ煩悩を振り払い、小宮山の水着に意識を集中させる。
とりあえず、小宮山のことだから、ビキニはないよな・・・
やっぱ、極力、肌を出さないようなデザインで、さらに上になんか羽織ってるに違いなくて・・・
どんな水着だって、小宮山ならいいんだけど、問題はその上着をどうやって脱がせるかで・・・
折角の海なんだ、日焼けなんて気にしないで、めいいっぱい遊びたくて・・・
やっぱ、勢いが大切だよな?
小宮山に考える暇を与えないようにして、煽ててその気にさせるか・・・
でも、あまりしつこく言うと、逆に頑なになるかもしんないし・・・
もういっそ、一気にオレが脱がしちゃう?
でも、悲鳴でもあげられて、周りから痴漢扱いされたら大変だしな・・・
あーでもない、こーでもない、そう腕組みしながら頭を捻る。
「・・・あ、あの、英二くん、お待たせいたしました。」
背中から聞こえた声に、あ、来た!、そう思って振り返る。
その瞬間、全ての機能が停止する。
絶対、素肌を隠していると決めつけていたのに、そこに居たのは、大胆なビキニの水着で恥ずかしそうに視線を泳がせる小宮山・・・