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【テニプリ】闇菊/番外編【R18】

第1章 【ビターチョコ】菊丸英二/夢主




「別に隠さなくても・・・僕と璃音ちゃんの仲なんだし!」
「店長さんと私のって、私、ただの客じゃないですか・・・」
「酷っ!ただの、じゃないよ!、数少ないお得意さんだよ!」


数少ないって・・・、そう店長さんの自虐ネタに、思わず苦笑いしてしまう。
確かに、私が来たときもその後も、全くお客さんはいないようだけれど・・・
でも、大型のチェーン店なんかと違って、小さな個人商店だからこそ、行き届いた気配りをしてくれる、店長さんの人柄が好きで通ってきていて・・・


「・・・本当に、彼氏はいないですよ・・・好きな人なら、いますけれど・・・」


優しい店長さんだから、なんとなく、お兄さん・・・と言うより年齢的には親戚のおじさんかな?、そんな気になっちゃって、店長さんにならいいかな?って自然と思えて・・・


「ネコ丸、雨の日に拾ったって言いましたよね?、その時、私より先にネコ丸のこと、見つけてくれた男の子がいたんです・・・」


菊丸くんと出会った時のこと・・・
その瞬間、恋に落ちたこと・・・
ネコ丸の名前は、菊丸くんから一字をいただいたこと・・・


そしてその彼が、ネコ丸のその後を気にしていることを知ったこと・・・


菊丸くんの名前は言えなかったけど(言ったってわからないことだし)、それ以外は自分でもビックリするくらい、素直な気持ちを言葉にしていて・・・


こんなこと、お母さんにも言ったことないのにな・・・


そんな私の気まぐれな恋バナを、店長さんは「うんうん」と一生懸命聞いてくれて、だったらネコ丸くんのお礼を兼ねて、尚更、チョコをあげようよ!、そう言って私の背中を押してくれた。


ネコ丸のお礼・・・
そうだよね、生徒会室でネコ丸のことを思い出してる菊丸くん、あの時と同じ目をしていた・・・
あの雨の日の東屋で、ネコ丸を抱いて空を見上げた時の、どうしようもなく寂しそうな目と同じ・・・

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