第7章 HATE YOU
「じゃあ、また迎えに来る時連絡しろよ」
せっかくの土曜日で、しかもバレンタインデーだと言うのに予定がないという兄が、車の窓からそう言ってくれる。
まったく気の毒だ…顔は悪くないはずなのに
そんな兄を見送りながら手を振る私の背には、青葉城西。
よし、と握りしめたのは、大地先輩に渡す予定のチョコレート。
箱に綺麗に入れてあるの。
(うわぁぁ…いざ渡すってなったら…なんか、恥ずかしい/////)
綺麗にラッピングした箱をぎゅっと握りしめる。
トクトク鳴る心臓に、チョコレートが溶けてしまいそうなほど頬が熱い。
もう1度大きく息を吸って
体育館に向かって小さく走った。