第8章 チョコより甘く
「人の彼女にちょっかい出すようなヤツには、当分そんなの来ないんじゃない?」
視線も合わせず突き放せば、みるみるうちにしょんぼり顔になる兄ちゃんに春華が今のは平気、気にしないでと優しく声を掛ける。
面白くない。
僕の、僕だけのキミだろ?
なんで兄ちゃんなんかに構うんだよ。
「春華、空気読めないお邪魔虫が現れたから場所変えよう」
明「あ、そうやって二人きりになったりとかしてヤラシイなぁ蛍は」
「えっ?!月島君?!」
空気の読めない兄ちゃんのひと言で、その場が凍りつく。
「バカじゃないの?そんな事ばっかり言ってるから、いつまで経ってもおひとり様なんだよ。さ、行こう?」
少し戸惑う顔を見せるキミの手を引き、リビングのドアを開ける。
明「ごゆっくり~」
「···余計なお世話」
兄ちゃんには、後で飛びっきりの制裁を。
そして、そんな兄ちゃんを名前呼びしてるキミには···
取っておきの、お仕置きをサプライズだ。
覚悟してなよ。
···春華?
甘い甘いお仕置きと、甘い甘い時間を一緒に過ごそう、ね?
「月島君、なんだか楽しそう?」
「楽しいと思うよ。これからの時間は、特にね」
さぁ、お楽しみの時間は···これからだ。
~ END ~