第7章 HATE YOU
ダン!たたた…ダン!
体育館に響くこの音が聞こえるだけで、ドキドキする。
まだ親善試合が始まるまで時間があるけれど、烏野は到着しただろうか?
体育館の側面に開いた小窓から覗き見るが、よく分からない。
今度は入口のところに向かうと、青葉城西の制服を着た女の子達がキャッキャと色めきだった声を上げながら横をすり抜けていった。
みんなの手にも大切そうに握られている小箱
あの子達もきっと、大好きな人にあげるんだろうなって思うと勝手に親近感が湧いてくる。
入口から首だけ出すと、視線の先に黒のユニフォームが見えた
(大地先輩だ…!)
ミーティングをしてるのか、真剣な顔で部員に向かって話してる。
(やっぱりかっこいい…
大好きだよぉ…大地先輩…。)
手元で箱を握る力が強くなる。
渡したい、でも恥ずかしい…そんな相反する思いがごちゃ混ぜになった。
(でも、試合前に渡したいって思ってたんだから、声掛けなくちゃ…)
むん!と気合を入れて、近づこうと、入口から一歩入った時だった