第6章 素直なキモチ
しばらくしてやっと部員が集まった。
もちろん大量のチョコレートをもって。
各々紙袋やらなんやらを持って体育館に入ってくる頃には
入口の人集りも消えていた。
花「くそ、また及川に負けた。
何がいいんだあの顔だけ男」
及「負け惜しみは聞き飽きたよ?
あ、俺全部食べたら太っちゃうから
分けてあげよっか」
岩「太っちまえ」
松「毒でも入ってりゃ面白いんだけどな」
いつもの調子の3年生たち。
こちらに気がついた花巻さんが走ってくる。
花「春華ー!俺、春華の本命待ってるから!」
なんて言うから
春華「みなさんの分も作ってきてますよ。
だから、早く着替えて部活参加してください」
ゾロゾロと更衣室に吸い込まれていく部員達。
後ろの方に見えた、1年生。
国見や金田一の手にも紙袋があった。
そうだよね、そりゃそうだよ。
初めからいないってことは、誰かとあってたわけだし…。
またチクリと痛む胸。
全員が集まった練習だったけど、集中しようとしてもあまり身が入らないまま
今日の練習は終わった。