第6章 素直なキモチ
昇降口にいくと、及川さん達がいて。
及「あー、春華ちゃんおつかれー」
お疲れ様です、と三年主要メンバーに頭を下げる。
んじゃ、行くか、と誰かが呟けば、おー、となんとなしに
動き出す私たち。
コートを出れば彼らも普通の男子高校生。
自然と恋バナにだってなる。
花「明日、バレンタインだよなー」
松「お前、もう根回ししてたな」
花「甘いもんはいくらあっても足りないからね!
貰える数は確保しとかなきゃ」
及「俺は、毎年ちゃんと貰えるからね」
春華「貰うのはいいですけど、練習遅れないでくださいね」
去年も大変だったのだ。
主力メンバーがほとんど来なくて(来れなくて)
溝口コーチと二人で待ちぼうけしていた。
及「もー、春華、拗ねないで!
春華のチョコレートも期待して待ってるから☆」
岩「やんなくていいからな。
甘いもん食いすぎて腹壊せばいい」
なんと辛辣な言葉。
なんていつもの風景を見つつ、私は早々に三年生たちとわかれた。