第6章 素直なキモチ
今日もいつも通り練習して、
後片付け、点検をして、
「よし、今日も大丈夫」
部室を出て、更衣室に向かえば
岩「おう、おつかれ」
スマホ片手に立つ岩泉さん。
岩「今日、いつもより遅いから送ってくわ。
ゆっくりでいいから準備してこい」
部延をとった日にはいつも誰かが送ってくれるルールになっているらしい。
練習後疲れた選手達にそんなことさせられない、ともちろんお断りしたのだが、
溝口コーチが一人マネの私を気遣ってやるように
との指示を出してくださったのだ。
急いで着替えて、バックを手に取る。
春華「お待たせしました!」
岩「お、じゃ行くか」
スっと私の手からバックを持つとそのまま少し前を歩いていく。
岩泉さんは、いつもそうやって送ってくれる。
不器用な優しさ、というかなんというか。
ほんのり心があったかくなるのを感じて、あとを追った。