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ハイキュー!! バレンタイン企画!

第5章 平行線


放課後、何時もならすぐに部活に行くのだけれど、今日は下級生の子に捕まった。


「あ、あのっ、赤葦先輩と付き合ってるんですかっ?」


振り向くと目の前の女子生徒が頬を染めたのがわかった。


別に自惚れてるってわけでもないけど、私は結構美人な方だと思う。

街を歩いたら二週間に一回は芸能事務所の人にスカウトされるし、告白とかもそこそこある。


「いいえ、付き合ってないけど…」


そういうと、目の前の女の子の顔が緩むのがわかった。嗚呼、京治のことが好きなんだな。


「付き合ってないって!」


「チャンスあるかもよ!頑張りなよ!」


そう周りの女の子が一人の女の子に言う。


成る程、この女の子が京治のことを好きなのか。

「有難う御座いましたっ」


そう言って女の子たちが去っていった。


そして、それと同時に聞き慣れた声が私の耳に届いた。


「いいの?アレ。告る気なんじゃない?もうすぐバレンタインだし」

それは部活仲間の奈津と結衣だった。


「だって本当に付き合ってないもの」


「万が一赤葦くんがOKしちゃったらどうするの?」


たしかに、他の人はみんなそう考えると思う。


でも、私には絶対的な自信があった。


「京治は誰とも付き合わないよ」


「うーわ。すごい余裕」


「一番身近な女子が春華だったらそりゃハードル上がるけどねー」


「同性でも惚れちゃうレベル!」


「ていうか何で二人付き合わないわけ!?!?」


「春華は赤葦くんのこと好きなんでしょ?」


「いっつも一緒にいるし特別扱いだもんねー」


そう言って恋愛話に花を咲かせる二人。
たしかに私は京治のことが好きだ。
私は何時かした話を思い出して言う。




「京治は私のナイトなの」



「なっナイト!?」


「春華様っ…!」


そうやって冗談めかして言う二人。私は何とも言わずに部活に足を進めた。





京治ことは大抵何でも知ってる。


好きなもの、苦手なこと、考えてることも大概予想がつく。


ただ、分からないことが一つだけあるんだ。


一番知りたいのに、一番分からないこと。
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