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【YOI・男主×ユーリ】扉の向こうとこちらのエロス

第2章 Tokyo's Night


自分の唇に背後から礼之の指が触れてきたと思うや否や、ユーリの口中に何かを押し込んできた。
「!」
「落ち着いた?それ、僕がお祖母ちゃんのレシピで作った飴だよ」
お菓子作りが得意な礼之は、数年前に日本の祖母が亡くなった際、彼女から遺品代わりのレシピを受け継いでいた。
砂糖と水飴だけで作られた黄金色の素朴な甘味が口の中に広がると、段々とユーリの呼吸も穏やかになってきた。
昨年のGPSロシア大会で、初めて礼之とまともに話をした時に、互いの祖父達について共通の話題で盛り上がったのを思い出したユーリは、自分の胸元に回された礼之の手を取り、自分のそれと重ね合わせる。
「…お前、あの時のバンケで俺の祖父ちゃんのピロシキの話に、えらい食いついてたよな」
「ユリだって、僕のお祖母ちゃんの話に興味深々だったじゃない。スオミでもLihapiirakka(ピロシキ)は人気だし。でも、気を付けなきゃいけない事もあるんだ」
「何がだ?」
「ヘルシンキにリハピーラッカで有名な老舗のベーカリーがあるんだけど、日本でそこの店名連呼したらお巡りさんに怒られちゃうの。何せ『porn comic(エロマンガ)』だし」
「…確かにそうだ!ははっ」
脳内で日本語への翻訳を済ませたユーリは、つい緊張感も忘れて笑い声を上げたが、間もなく先程よりも身体に絡みついてきた礼之の両腕に気付くと、息を呑んだ。
「でも、今こうして僕とユリがしてる事は、マンガじゃないね」
「ぁ…」
「そろそろ…『こっち』もいい…?」
白い双丘の更に奥に潜む小さな入口を指でなぞられたユーリは、再びその身を震わせる。
それが何を意味するのか判らない訳はない。
礼之も自分の事を考えて紳士的に振舞ってはいるが、先程から密着した腰の辺りで、彼の下腹部がかなり限界を迎えているのを感じる。
しかしいざその時を迎えると、緊張と隠しようのない未知への恐怖が、ユーリの心身を脅かしていたのだ。
「さ…」
「?」
「さっき、準備はしたけど…やっぱ直に…い、入れられるのは…その…」
礼之は、歯切れ悪く言葉を続けるユーリを安心させるように「判ったよ」と応えると、先程買い物をしたコンビニの袋を手繰り寄せ、そこからコンドームとローションを取り出した。
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