【YOI・男主×ユーリ】扉の向こうとこちらのエロス
第2章 Tokyo's Night
笑いを収めたユーリは、礼之がベッドに上がってきたのを見止めると、無意識に身を竦ませた。
薄闇の中でも、礼之の青い瞳が自分を真っ直ぐに見つめているのが判り、無意識に傍らのシーツをギュッと掴む。
「緊張してる…?安心して、僕もだから」
いつかの休憩所のソファーとは比べ物にならないスプリングの感触を覚えながら、礼之は膝立ちの状態でユーリの身体を抱き締めると、彼の頬に手を添え唇を触れ合わせた。
「いい匂い」
「た、ただのホテルの備え付けのシャンプーじゃねぇかよ」
「髪だけじゃないよ。ユリの全体から香ってくる…ここも、ここにも」
耳の後ろや首筋に唇を移動させてきた礼之に、ユーリは息を呑む。
次第に力が入らなくなってきたユーリは、そのまま礼之に身を預けるような体勢になり、やがてゆっくりとシーツの上に押し倒された。
「今だけ日本語で言うね。『僕は、ユリが好きだ。…君が欲しい』」
真剣な表情と言葉に、ユーリは頬を染めると横を向いた。
「『いいの?』」
「『ダカら、今夜ハ礼之をココに、引き留メタんだ。それガ答え』…」
らしくもないか細い小声の日本語で返して来たユーリを嬉しそうに見下ろした礼之は、本能のままに彼の上に覆い被さった。
汗で頬に張り付いた髪を、ユーリは若干鬱陶しげに振り払う。
いつしか礼之によってTシャツを脱がされていたユーリは、先程から執拗に上半身への愛撫を繰り返され、切れ切れに湿った吐息を漏らし続けていた。
「…感じてる?」
「くすぐってぇんだよ…」
「でも、ユリのココ、立ってる」
礼之によって散々刺激された結果、すっかり屹立した胸の飾りを指で軽く弾かれて、ユーリは無防備な声を上げる。
「わざわざ恥ずかしい事、聞くな…っ」
「何で?ユリが僕の愛撫で感じてくれるのは、嬉しいのに」
「このエロ侍っ…ひぅっ!?」
引き締まったアスリートのウエストラインを、両端から撫で下ろすように手を這わせた礼之は、ユーリの臍を舐めた。
「やだっ、やめろ!ンなトコ汚ぇ…」
「お風呂入ったじゃない。それに、今夜は否定しないって言ったよね?ユリのお望み通り、これからもっとエロ侍として忠実にいかせて貰うから」
弱々しく抗うユーリを軽くいなすと、礼之はユーリのスウェットに手をかけた。