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【YOI・男主×ユーリ】扉の向こうとこちらのエロス

第2章 Tokyo's Night


買い物を済ませた礼之が部屋に戻ると、ソファにもたれながらTVを観ていたユーリが、こちらを振り返った。
Tシャツにスウェットというラフな格好をしたユーリの髪が、微妙に濡れているのを見た礼之は、歩を進めて近付く。
「まだ濡れてるよ」
「あ?こんなのほっときゃすぐ乾くだろ」
「ダメだよ、ちゃんと乾かさないと痛むし、風邪引いちゃう」
そう言って、ユーリの首にかけられていたタオルを取った礼之は、背後から彼の髪を拭き始める。
「ちょ、やめろよっ」
「じっとして。ユリの髪、僕のくせ毛と違ってサラサラだね」
嫌がるユーリに構わず続けていると、タオルの隙間からユーリのうなじが礼之の目に映った。
先程まで風呂に入っていたからか、ユーリの白い肌にうっすらと赤みが差しているのに気付いた礼之は、まるで吸い寄せられるように顔を近づけ、小さく音を立てて唇を落とす。
「ひっ?」
「…綺麗」
「こら、てめっ、離せ…ぅわっ」
いつしか礼之の右手がユーリのTシャツの裾から入り込み、胸を撫で擦りながら親指が小さな突起を刺激してきた。
直後、背筋に電流が走るような衝撃を覚えあられもない声を上げたユーリだったが、片手を背後の礼之に向けて伸ばすと彼の服を掴む。
「部屋ン中で上着も脱がずにサカってんじゃねぇよ!いいからお前も風呂入ってこいっ!」
ともすれば、一瞬だけそのまま流されそうになってしまった自分を心の中で叱咤すると、ユーリは礼之の手が離れたのに合わせてソファから立ち上がった。
「判ったよ。その代わり、ユリも髪乾かす事」
「うるせぇ!このエロ侍!」
「…今夜に限っては言い返せないね」
いつもならムキになって反論する礼之が、至極真面目な声で応えながらバスルームに向かうのを、何故かユーリは緊張した面持ちで見送った。

サウナなら幾らでも入っていられるが、礼之はあまり入浴に時間をかけない方である。
「疲れを取る為にもしっかり湯船に漬かれ」と日本の祖父にも言われるが、いつも身体の汚れを落として祖父の言う「100数えてから云々」のノルマを終えると、早々に風呂からあがってしまっていた。
しかし、今夜だけは念入りに身体を洗うとバスタブに身を沈める。
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