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【YOI・男主×ユーリ】扉の向こうとこちらのエロス

第4章 エピローグ


「大丈夫、僕もユリと同じ気持ちだから。ユリが泣かなかったら、多分僕が先に泣いちゃってた」
ユーリの背を軽く叩きながら、礼之は彼の耳元で囁く。
「正直、このままずっと一緒にいて、君をロシアに帰したくないよ」
「…バカ。そんな訳にはいかねぇだろ」
「そうだね。それに、スケートがなかったらユリとは会えなかったんだから」
少し落ち着いたのか、涙を止めたユーリを見ながら礼之は言葉を続ける。
「僕はね、こんな風に僕の腕の中で可愛くなってるユリも好きだけど、闘争心全開でリンクに立ってるスケーターのユリも、同じ位好きなんだ」
「!」
「だから、僕達はこれからも一緒に頑張れる。君がリンクにいてくれたら、僕はもっと強くなれる」
「礼之…」
「判ってると思うけど、僕結構独占欲が強いんだ。物理的に離れてしまう事があっても、今後ユリを離す気なんてさらさらないから」
親指でユーリの目元の雫を拭った礼之は、更に顔を近付ける。
「絶対に君を離さない。判ったら僕の傍にいて…ううん、僕の傍にいろ」
強い意思を湛えた青い瞳に、ユーリのそれと心は不覚にも絡めとられてしまった。
数秒の沈黙を置いてから、漸く「歳下の癖に生意気なんだよ」と努めてぶっきらぼうに返す。
「…その言葉に偽りはねぇな?」
「勿論」
「なら、その証拠に今すぐ俺にキスしろよ」
「え?じゃあ、その辺の物陰に…」
「今ここで、だ」
「こんな天下の往来で!?」
それまでの男らしさはどこへやら、年相応に慌て始めた礼之の様子を見て、ユーリは吹き出した。
「キス位誰も気にしねぇし、せいぜい『外人がいちゃついてら』程度にしか思われねぇって」
「僕は日本人だから、そういうのは抵抗あるんだよ!」
「悪ぃが、お前の見てくれじゃ無理あるぞ。現に昨夜、ソレ利用して18禁の品物色々買ってたよなぁ?」
「う…」
ばつの悪そうな顔をする礼之に詰め寄ると、ユーリは伏し目がちに質問を重ねる。
「ひょっとして、今朝俺をお前の家に誘ったのは…」
「ち、違っ」
「んー?ホントかぁ?」
「…ゴメンナサイ。キスや軽いペッティングは出来るかなって、思いっきり考えてました…」
「ぷっ!そこは嘘でも否定しろって。でも…俺は、そんなお前の素直なトコ好きだぞ」
さらりとした告白に、今度は礼之が顔を赤くさせる番だった。
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