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【YOI・男主×ユーリ】扉の向こうとこちらのエロス

第3章 Tokyo's Midnight


バスルームの扉に耳を近付けたユーリは、そこから微かに聞こえてきたくぐもった呻きに眉を顰める。
しかし、それと共に断続的に湿った息遣いも耳に届いたので、ひとまず心配はなさそうかと判断したユーリは、踵を返してベッドに戻ろうとしたのだが、
「ユリ…」
「っ!?」
てっきり気付かれたのかと思ったユーリは、身を竦ませた。
無意識に両手でその身を抱き締めて息を潜めるも、扉の向こうからそれ以上のリアクションはなかったので、ほっと息を吐く。
きっと自分を「おかず」に、股間の疼きを解放しようとしているのだろう。
しかし、
「俺はここにいるのに、お前は想像の俺で抜いてんのかよ…」
礼之がそうなったのは他でもないユーリのせいなのだが、何故だかモヤモヤしたものも感じ始めていた。
慎重にドアノブに手をかけると、ロックしていなかったらしく、さしたる抵抗もなく扉が動く。
ノブを引く手を必死に調節しながら、ユーリが僅かにできた扉の隙間から中を窺うと、ドレッサーの椅子に腰かけた礼之の、これ以上ないという股間の昂りが目に飛び込んで来た。
「!?」
先程ベッドで見た時よりも膨張している礼之の雄の猛々しさに、ユーリは気付かれぬよう扉を閉めた後で、顔どころか全身を真っ赤にさせる。
「な、何だアレ…ヤバ過ぎるだろ…あんなの入らない。俺、絶対に壊される…」
ブツブツと繰り返す反面、ユーリの胸の鼓動は収まる気配がなかった。
「でも、俺の事考えて礼之のアレがあそこまで…俺を想ってあんな…」
「ユリ…欲しいよ…ホントは今すぐにでも君と繋がりたい…君とセックスがしたい…ユリ、ユリ…っ」
「!」
うわ言のように自分の呼び名を繰り返している、何処か切なさを帯びた礼之の声に、いつしかユーリはバスルームの扉を背に坐り込むと、おずおずと手を自分の服の中に潜り込ませていた。
ベッドでの礼之の愛撫を思い出しながら、左手で胸の飾りを弄りつつ、右手は再び熱を持ち始めた下着の中の肉芽を握り込む。
あぁ、と無防備な喘ぎ声を漏らした直後、ユーリは礼之に聞かれたのではないかと一瞬だけ理性を取り戻しかけたが、程なくしてそのような思考は、全身を支配する煩悩にかき消されてしまった。
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