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【YOI・男主×ユーリ】扉の向こうとこちらのエロス

第3章 Tokyo's Midnight


しかしいざその時になると、ユーリが想像していたよりもずっと衝撃的な事の数々や、いつもと違う礼之の様子にすっかり翻弄されてしまった。
そして、年上としても同性としても劣等感を通り超えて恐怖すら覚えた礼之の勃起した男根は、まさに礼之の中に隠されたもう1人の彼を象徴していたかのように思えたのだ。
どちらかといえば普段は大人しく礼儀正しい礼之の中に、このような熱く大きなものが潜んでいたとは。
そして、
『僕は、君が欲しい』
その求める先が紛れもない自分である事に、嬉しくない筈はないのに、それと同じ位の負の感情にも支配されたユーリは、最後の最後で尻込みしてしまったのだ。
『ユリ』
彼の生まれ故郷であるフィンランド調に礼之が自分の愛称を呼ぶ度、ユーリの鼓膜と心は何とも言えない甘酸っぱい感情を擽られる。
礼之のハグとキス、そして先程までのベッドでの彼の愛撫を思い出したユーリは、無意識に唇に指をあてた後で、ふとバスルームの向こうが気になり始めた。
「礼之の奴、大丈夫かな…」
絶対に近付いてはいけない、と礼之に厳命されてはいたが、そもそも彼があそこに籠る原因を作ったのは自分である。
「もしもバスルームで貧血とか起こして、気分悪くなっちまってたら大変だし…」
ドア越しに様子を窺うだけなら問題ないだろう。
そこで礼之が無事なのを確認したら、そのままコッソリ引き返してくれば良い。
そう考えたユーリは、ベッドから立ち上がると極力足音を立てないようにしながら、入口付近のバスルームへと歩を進めた。

GPSでのバンケットの夜、ホテル敷地内のガーデンでユーリと少しだけ濃密な時を過ごした礼之は、ユーリが思ったよりも中身はずっと初心(うぶ)なのを知った。
夜の魔力に煽られて、キスをしながらユーリの服の裾から手を忍ばせようとした礼之に、弱々しく頭を振って抵抗した彼の無防備な声と表情を思い出すと、手の中のソレの血管が、先程よりも浮き出るのを覚える。
(あの時のユリ、可愛かったな。後で憎まれ口聞いてきたけど、あんな赤らんだ顔で凄まれたって逆効果なのに)
加えて先程のベッドでのユーリを脳裏に浮かべた礼之は、次第に頭の中が熱と煩悩に支配され、股間を扱く動きが速くなっていった。
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