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【イケメン王宮】花冠

第16章 -過去との再会



頭を上げたジルは、驚く事もせず
私をじっと見た後 ルイに向き直り

「なるほど。ハワード卿…プリンセスには、無理をさせないように公務について頂きますのでご安心ください。
セレネ様 お着替えになってきてください。ユーリが部屋にいます。」

ゆっくりで構わないから
ジルの執務室に戻るように言われ
ジルの執務室を後にした。

ユーリに会うのもあの日以来
少しドキドキしながら 部屋に戻った。

「セレネ様…」

「ユーリ…心配かけてごめんなさい。」

部屋に入れば 弾かれたように抱きつくユーリ。
驚いたけれど それ程心配をかけていたんだと胸が痛くなった。

「もう…会えないかと思った…」

ユーリの背中に手を回し 子供をあやす様に撫でれば
耳を赤くしたユーリが体を離し 顔を背けていた。
不思議に思い 覗き込めば 背を向けられた

「ユーリ?…」

「…っ。着替えるんでしょ ドレス用意しておいたから。」

そう言い出してくれた エンパイア
淡いパステルカラーのドレス。

「ありがとう…ユーリ。」

着替えた後、髪の毛を結ってくれた。
アップにしたのも 久しぶりな気がする。

「うん、いつも通り綺麗だ」

なんて言ってくれるから 鏡越しに二人で微笑みあった。
ジルの執務室に戻るのにユーリは、手を繋いだ。
恥ずかしいと言っても離してくれなくて
そのまま その背中と繋いだ手を見ながら執務室に戻った。

執務室戻ればジルとルイだけじゃなく
アランとレオもいた。
だから 必ず戻るように言われたんだと納得した。

アランとレオは、優しい笑顔を向けながらも
どこか辛そうな顔をしていて
やはり 心配をかけていたんだと
申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

男性が怖くなったと思ってた。
ううん…怖くないって言ったら嘘…
でも、ルイもジルもユーリも
ここに居る皆を怖くないと不思議と思った。

「セレネちゃんおかえりなさい。」

「…戻ってきたな」

「セレネ様おかえりなさい。」

「セレネおかえり。」

「プリンセス、お待ちしていましたよ。」

優しい声、優しい笑顔…暖かい場所
一人一人の顔を見ながら ぎこちないかもしれないけど
私らしく笑って答えた。

「…ただいま。」

透き通るような笑顔を向けるセレネにみんな少し驚いた顔をしていた。
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