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【イケメン王宮】花冠

第18章 -答え





それでもセレネの側を離れなかったのは、彼女を心底心配し
愛していたからだ。
例え セレネが選ぶのが自分でないにせよ そばで助けることは、可能だ。
それが ルイに残された 一つの希望でもあった。


セレネは、ルイの初恋の女の子なのだ…
行方不明になる前…孤児院から貰われてきたばかりの頃のルイが出会って心惹かれた少女がセレネだった。


だから 行方不明になっても ルイ単独でも探し続けていた。
選考会の時セレネを見つけ ルイは、すぐに気がついていた。
幼馴染の初恋の少女…行方不明になった 自分の希望。


昔と変わらない 無垢な笑顔 独特の甘い香り 『すぐに帰った方がいい』そう言いながらも強く帰せなかったのは、やっと見つけたセレネを手放す事が出来なかったから。
偶然でも必然でも《運命》をルイは、感じたからだ。


《消えた記憶》を思い出してもルイの事は、覚えていなかったセレネ。
歯痒いながらも仕方ないと感じていたが それは、自分だけでないことも分かっていたから あえて口にすることもなかった。
これからも それを言うことは、無いかもしれない。

ただ、ルイは 生涯セレネを想い 愛し続けることになる。
どんな形であろうとセレネを守ると幼き日 居場所がなく辛い思いをしていた自分を救ってくれた可愛い笑顔のセレネに誓っていたから。


目の前で泣くセレネは、昔のままだった。
泣き虫の癖に何処か意地っ張りで我慢強い それでいて笑顔がとびきり可愛く ふわふわ周りを包み込む 優しい女の子。



困らせたいわけじゃなかった
悩まさたいわけでもなかった
唯、愛してほしいと願ってしまった
唯、愛させてほしいと感じてしまった



そんな 泣き顔を見たかったわけじゃない
泣き顔すら美しいセレネ


そんな 泣かせたかったんじゃない

君を手放すから
自由にするから
もう、悩まなくていいから
君の 一番じゃなくてもいいから



だから…笑って…
前の様に…花が綻ぶように


俺が大好きにだった
あの笑顔を見せて………。


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