第16章 -過去との再会
ルイと肌を重ねた日から ルイは、私を触りたがる。
好きだと愛してると伝えられた…
そばにいて欲しいと…
それに対し 返事の返せない自分がいる…
ルイは、好き
でも、それは、恋愛の好きなのか分からない。
ルイを受け入れたのは、私の弱さ故だ
ルイが悪いんじゃない…
しっかりしない私が悪い…
こんな曖昧じゃ ルイが勘違いしたって仕方ない
こんな私がプリンセスだなんて…笑ってしまう…
色んなことが一度に起きすぎて 頭の容量がパンクしそうだ。
飛び出した日から…久しぶりに宮廷に戻ることになった。
私がいない間 ジルやレオたちが必死になってくれていただろうことは、簡単に想像出来たから
自分で戻ると決めた
プリンセスを引き受けた身
簡単に投げ出していいわけがない。
自分でそう決めたのだから…
公務や視察以外に しなければならないこともある…
とても大切な事
これをしなければ 始まらないとも思う。
ルイが馬車で送ってくれ ジルの執務室まで付いてきてくれると言ってくれた。
「ルイ…ありがとう…それから、ごめんなさい…」
「…セレネは、何も気にしなくていい。」
城門を通れば 久々に見る景色に懐かしいと感じた。
そんなに留守にしたわけでもなかったのだけれど
『ここに帰ってきた』そう思えた。
ルイと一緒にジルの執務室前についた。
あの日、逃げ出した場所…
コクリと喉を鳴らし 小さく息を吸い ドアをノックした。
コンコンコン…
「どうぞ 入ってください。」
ジルの落ち着いた声
ルイがドアを開け 私を促してくれた。
「プリンセス、おかえりなさい。」
「ジル…ただいま戻りました。迷惑をかけてしまってごめんなさい…」
「いえ、いいんですよ。体調は、大丈夫ですか?」
「はい…」
優しい微笑み
いつもの丁寧な言葉は、とても優しくて
じわっと 温かさが広がる。
ジルの穏やかな優しい瞳を見て 頷く
「…まだ、完全とは言えないから…無理はさせないで。」
「ハワード卿…わかりました。この度は、ありがとうございました。」
そういいルイに深々と頭を下げるジルを見て
私も慌ててルイに頭を下げた。
「セレネもジルも頭上げて。好きな女性を守るのは、当然…」
「っ…。」