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【イケメン王宮】花冠

第14章 -衝撃





必死にドアへ向かうセレネの腕を引き 強く抱きしめた。

ギュッ…

「イヤァっ…離してっ!!!」

「セレネ、俺だよ…ルイだよ。」

「怖いッ!…助けてぇッ!!! ぃやぁッッ!」

「もう、大丈夫だから安心して…」

強く でも、優しく抱きしめると ガクッと膝の力が抜けた。
膝をついて 尚もセレネを抱きしめる。

「セレネ、俺を見て…」

左手で抱きしめ 右手でセレネの頬に手を添え 自分の顔を見させた。少し抵抗は、見せたものの 視点が定まると 紅かった瞳がいつものブルーブラックの瞳にかわり やっと 戻っきたのが分かった。

「セレネ抱きしめてるのは、俺だから… 大丈夫」

「…ル、ィ…?」

「…うん。」

ルイを確かめるように 震える手を伸ばし 頬を触わろうとして ギュッと手を握りしめると ボロボロ涙を流し出した。

「…っ…ゥワァぁ…ヒッ…こ、怖、かっァ…」

悲痛な鳴き声…ルイを抱きしめ縋ろうともしない セレネ…
ルイは、セレネの背中を宥めるようにさすった。
どれ程の恐怖だったのだろうか…そんな セレネの姿に ジルもレオもアランも苦痛な顔をし 顔を背け 涙がこぼれた。

「ヒック…ヒック…ぅっうッ!!!」

セレネが自分の胸元のドレスをギュッと握った

「ジルっ、オケ持ってきてっ。セレネ俺に吐いていいから…」

それを聞き 慌てて持ってくると ルイとセレネの側に近づいた

「セレネ、吐いて。」

見れば 胸が大きく 飛び跳ね 我慢しようとしてるのがわかる。
機転を利かせて セレネの胸元に持ってくると 身体を起こして 吐いた。

「ケェ…ケホッ…ゴホッ 、ヒクッ…」

「レオ、水とって。」

その姿を呆然見ていた 二人がハッとし ベッドの脇に用意された水を汲み 持っていく。
ルイは、コップを受け取り セレネの口元に持っていき 飲ませた。が 吐いてしまう…

体力を考え コップの水を自分の口に含み セレネの口と隙間なく合わせ 口移しで飲ませた。

コクリッ…

喉が上下しようやく 飲み下した
三人もホッと肩を下ろしたのがわかった。

ぐったりし 朦朧とするセレネを抱き上げるとベッドにそっと横たえた。



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