第13章 -悪循環 [R-18]
走り寄り 近づけば、遠くから見た 微かな光は、小さめのロッジで明かりが付いていた。
入口から中を覗けば、誰かがいる。
バンッッッ!!!
ドアを蹴破り中に入れば
ベッドの上で手首を縛られ 目を布で覆われドレスを来た女性。
その側には、男が居た。
髪の色や着ているエンパイアのドレスからセレネだと分かる。
男の手が彼女のドレスの裾を捲し立て 顕になった肌の胸元にあった。
その男を 殴り倒し 剣を抜いていた。
「…何をした…」
「ひっ…」
驚くほど 低い声が出た。
目の前が怒りで真っ赤に染まる。
「…その手で…彼女に何をした…」
「ひ……ぼ、ボクは…」
剣を突きつけられ 腰が抜けたのか 目の前の醜い男は、青い顔をしてガクガク震えていた。
彼女を触った手 彼女に抱きついた身体…切り刻んでやりたい。
黒い憎しみがフツフツと湧いてくるのがわかる。
剣を振り上げ切りかかろうとした時
「ルイ様!!!」
ハッ!!
入口まで来た使用人の声で我にかえった。
「…この男を捕まえろっ!」
周りに彼女が見えないように自分の上着を脱ぎ そっとかけ
口に詰められている 布を引き抜いた。
セレネは、ブンブン首を振りながら叫んだ。
「いやいやっ!!!イヤァッ!」
「セレネ!!もう 大丈夫だから!」
俺の声が届いていないのか セレネは、バタバタと暴れる。
「怖い!怖い!!助けてっ!!!嫌だァ!!」
「セレネ俺だ!ルイだ!!」
暴れる彼女を上着の上からギュッと抱きしめた。
「…ぅ、うう…ぃゃっ…ヒック…ど、いて…さわ、なぃで…ヒック…ぃゃ、なの…ゥェッ…」
ガクガクとセレネの身体が震えている。
「た、ヒック…すけっ…ヒッ…て…き、もち…わるっぃ…ゥェッ、ヒック…」
サッと彼女の衣服を整え
抱きしめたままセレネの耳を自分の胸と片手で塞ぎ
「…その男、縛っておけ。絶対に逃げられないように。」
「はっ!!」
「彼女を連れて屋敷に戻る。その男を連れて城に知らせろ…彼女を探しているはずだから。」
いつの間にか俺の胸の中のセレネは、意識を失っていた。
それでも 身体は、震えていて 膝裏に手を入れ抱き抱え 彼女の馬に乗った。