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【イケメン王宮】花冠

第13章 -悪循環 [R-18]





公務の後 孤児院に寄って 帰る頃には、当たりはすっかり暗くなってきていた。

馬車に揺られながら 外を眺め物思いにふけっていた。

最近、セレネと一緒にいられる時間が多くなった。
彼女が纏う ふんわりとしたオーラに癒される。
ニコニコ笑って クルクル表情を変えて ふわふわしてて どんな事にも一生懸命で…
隣にいるだけで 穏やかな気持ちになる。

お披露目パーティーの時 パードレの最中 孤児院の子供が 大きな声で彼女を呼んだ。
それに気がついたセレネは、パードレを止め 馬車から出てきて
子供たちに声をかけていた。

普通 お披露目パーティーにそんなことしないのに…クスッ…。
そんなセレネを尊敬した。
この貴族社会 全てにルールがあって 操り人形の様になることが多い。
俺もその一人。

全てに興味を無くし 感情が自分にあるのかも分からなかった。
外見だけで寄ってくる人間ばかり。
地位目当てで寄ってくる女の人。
興味なんて全くなかった。
そんな 俺の世界に色を付けてくれたのがセレネだった。

突然プリンセスになんかなって 苦しい筈なのに
彼女は、笑うんだ。

『誰かの役にたちたい』って

決まり事ばかりのこの社会に
自分らしさを見せてくれたセレネ。
好きだと気がついてからは、積極的に一緒に居るようにした。

お披露目パーティーの時 妖精のようにフワフワ踊ってたセレネをみて 自分だけの人でいてほしいと思った。

彼女もそう思ってくれたらいいのに…。

シュタイン国王と何かあるな…とあの日感じた。
多分、彼女が行方不明になってから 傍に居たのは、シュタイン国王のゼノじゃないかな…

セレネの立ち振る舞いやダンス マナー 見つからなかったのも それなら全部説明がつくから。
でも、それを誰かにいうつもりは無い。
不確かだし いずれ 分かることかもしれない。

ふっと外を見れば、先日 セレネと馬で遠出をした道だった。
この道は、あまり広くなくて 道の両脇が森になっている。
緑の香りが強いって彼女が言ってた。

そんな事考えてたら 突然馬車が止まった。

何事かと外を見たら 御者が

「ルイ様申し訳ありません。馬がいて…少しお待ちください。」

こんな所に馬?…変だなと思ったから ドアを開けて外に出た。



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