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【イケメン王宮】花冠

第12章 -真実






コンコンコン!

返事も待たずに部屋に入った。


「…ユーリ?どうしたのですか?」


突然入ってきた俺に三人とも驚いてた。
でも、今そんな事考えてる余裕なんてない。


「ジル様たち なんの話してました?!」


「…。」


ジル様もアラン様も怪訝な顔をしていた。


「…え…ユーリ?どうし…」


レオ様が言いかけたと同時に 廊下から複数の足音がして バタバタと執務室に入ってきた。
騎士だった。


「ジル様!た、隊長も!大変です!!!」

「…落ち着いてください。」

「…お前達何があった…。」

「プ、プリンセスが…セレネ様が…」

「城を馬で飛び出しました…。」


四人が顔を合わせた。


「…ドアの前にこれが落ちてました…。」


拾ったバスケットを見せた。


「…これは…」

「セレネ様が作ったクッキーです。これが ドアの前に落ちてたってことは…」

「っ…あいつ!!!」


アランが騎士を連れ部屋から飛び出した。
ユーリもすぐに飛び出したかったが 事情を聞いてからだと思った。
何を聞いてしまって飛び出したのか…
原因がわからなければ…


じっと二人を見るユーリに気が付き レオが話だした。
セレネが消えたクロフォード家の娘でレオとアランの妹だということ。
ずっと探していたこと。行方不明にならずに居たら プリンセスに最も近い人物だったこと。 火事の事。 その時の状況。
城下で見た時そっくりで連れてきたこと。


「…セレネ様がクロフォード家の娘と言う証拠はあるんですか?そこまで言うなら それなりの証拠があるんですよね?…」


レオとジルが顔を見合わせ 頷き ユーリに言った。


「妹には、特殊な体質があって…我を忘れると、目が紅くなるんだ。俺とアランと同じ紅い瞳。プリンセス選考会の時 確認した。」


「っ…。」


次は、ユーリが驚く番だ。
当然ユーリにも覚えがあったからだ。
セレネが六歳の時からずっと傍で見てきたのだから。
死んだ 女性から聞いた時は、ゼノもアルもユーリも何のことか分からなかったが シュタインに来て間もない頃 癇癪を起こしたように泣いた時 その症状が現れた。


それから マリアも入れた四人でずっと隠してきたことだったのだから。



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