第12章 -真実
お披露目パーティーの後からセレネ様は、毎日がとても楽しそうで 観てる俺も嬉しくなってた。
お披露目パーティー前は、ゼノ様に会えなくて休憩の時やお休みの日 肩を落として物思いに耽っていることも多かった。
ゼノ様には、何度もウィスタリアの内部情報やセレネ様の報告は、してた。
セレネ様の専属執事だけど スパイにだって入ってるからね。
最も 表向きは、セレネ様の専属執事だけど 騎士として守ることも重要任務の一つかな。
だってさ セレネ様は、ゼノ様の《最愛の妹》から《最愛の女性》に変わったからね。
そんなの 見てたら分かるよ。どれだけ ゼノ様とセレネ様と一緒にいると思ってるの? なんてさ 一人で受け答えしちゃったりして。
シュタインに行く事 だって何度かあって その度 ゼノ様の優しそうな顔。見てるこっちが赤くなりそうだって思ってた。
セレネ様は、相変わらず気がついてないけどね。
ま、マリアにも会えたし セレネ様 楽しそうだし いっかな?
ウィスタリアでは、レオ様とアラン様のセレネ様への甘々ぶりが気になるし
最近じゃ ルイ様とちょっと距離が近くないか?ってヒヤヒヤしてた。
邪魔しようとしたけど あの天然ぶりで「ユーリの気のせいじゃない?」なんて小首傾げて誤魔化すんだよ。
あれ 、絶対わざとだよね?
今日セレネ様は、午後に公務が一つ入ってて その後 何も無い予定だったはず。
俺も別で入ってた用事済ませて ゼノ様から貰った紅茶 一緒に飲もうと思って この前 城下で買ってきた 最近評判のマドレーヌ買って用意して セレネ様を探してるんだけど どこにも居ない。
セレネ様の部屋もダンスホールも探して
もしかしてと思って 騎士宿舎のキッチンに行ったら 甘い香りが残ってた。ビンゴっ!お菓子作ってたんだ。紅茶あるし ラッキーって思ってたけど 当の本人見つからないから ジル様の執務室向かった。
(ん?…扉の前なにか落ちてる?)
遠目だとよく分からなかったけど 近くに行ったら バスケットに入った クッキー… 壊れてるのもある 薔薇のヴァニラクッキー…
ジル様の執務室からは、アラン様とレオ様三人の声…
何があった?この状況って………。