第2章 -新しい日々
マリアの言葉に
「「「無理かもな。(ですね!だと思う。。。)」」」と息の合った三人の声
セレネとマリアは、顔を見合わせて クスクス笑いあい 服についた葉をポンポンとはたきおとすと二つある花冠のひとつをゼノに「少し屈んで?」と頭に載せ もうひとつを自分の頭に載せ笑いあった。
噂を聞き セレネに婚姻を申し込んでくるものは、少なからずいた。
だが、殆どをゼノが断り
ゼノの元に行かずとも アルとユーリがキッチリ断っていた。
だから セレネにもマリアの耳にも入らなかったのだ。
そもそも、この時既にゼノの中では、セレネを誰かにと言う考えは、殆ど無かったのだ。
当然といえば当然なのかもしれない。
血が繋がっている訳では無いのだ。
セレネは、あまりにもゼノの好みに育ちすぎたのだ。
花のような笑顔 コロコロ変わる表情 凛とした強さ 何事にも一生懸命な所 ゼノの仕事もできる限り手伝っているからか 政治的な事も分かっており ゼノまでとは言わずとも 国の事も分かっている。
少ない表情のゼノにも敏感だ 惜しみない努力 周りを和ませる力もあり ゼノにない部分も補ってくれる存在だ。
国の顔になっても 国民から愛されることも確実。そうなれば 外に出す方が可笑しいのかも知れない。
実のところ アルは、ゼノのお妃は、セレネしかいないと思っておた。
ユーリは、自分を慕う可愛い女の子に恋心を抱いているのだが アルと同じく セレネがゼノを選んでくれたらと思っていた。それは、ゼノとセレネの血の繋がりが無いと知っていたからこそ考えていたことだった。
華奢な躯、長い手足 料理やお菓子を作ったり ピアノを弾くため 長い指についた爪は、短く整えられて
化粧っけのない顔には、くりくりした大きな瞳 長い睫毛 変わらぬピンクの頬 形の良い唇は、ほんのり紅く 肌も白い。
それとは、対象的な フワフワのダークブルーの髪は、あの女性に言われた通り 右耳のピアスが見えないように髪を結ってある。
華美に飾る事はなく
ドレスは、エンパイアが多く セレネの美しさを際立たせていた。
セレネは、淡い恋心をゼノに持っていると気がついてからは、ゼノの布団に潜り込むことは無くなっていた。