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【イケメン王宮】花冠

第10章 -お披露目パーティー






ゼノをじっと見つめながら ホールへと移動した。
嬉しくて嬉しくて 胸がいっぱいで泣きそうになるのを必死に堪えた。


「…元気にしていたか?」


「…はい。会いたかったです…。」


お互い向き合い 一度手を離すも とても名残惜しくて 離した手がとてつもなく淋しかった。
挨拶をし 手を繋ぐと 腰に回されたゼノの手がセレネの腰をグッと力強く抱き寄せた。
間近に迫るゼノの顔にドキドキして顔が赤くなる。



でも、顔を逸らしたくなくて じっと見つめた。
曲が始まり踊り出す。


「お仕事…無理したりしなかったですか?」


「…ああ、お前に会いたくて仕方なかった。」


「勝手してしまってごめんなさい…。」


「…そんな泣きそうな顔をするな。人前だというのに抱きしめたくなる…。」


優しい言葉。優しい声。
懐かしいゼノの香り…繋いだ手から 添えた手から 腰に回された手からも愛しさが溢れる。


「…少し見ない間に 成長したな。」


驚いて ゼノを見上げた。


「…っ。ゼノ様の隣にいて 少しだけでも恥ずかしくない女性になれたかな?」


セレネの言葉に今度は、ゼノが驚き目を見開いた。


「…お前は、最初から恥ずかしくなどなかった。それどころか自慢だった。今は、人前に出したくない程にな…」


『人前に出したくない』の言葉が理解出来ず 小首を傾げてしまった。
優雅なゼノとセレネのダンス。
セレネのドレスがフワフワと妖精のように舞っている。


「そのドレスも…お前に似合いすぎているな。」


「本当っ?…嬉しい!」



ダンスの為に作られたドレス。
シンプルなエンパイアは、チュールを使い濃いブルーから薄いブルーへグラデーションされていて ドレスの裾には、パールと小花が散りばめられていて キラキラ光を反射している。


背中には、わざと大きくしたリボン。
そのリボンが踊るたびフワフワ動き まるで 妖精の羽根のように見えるのだ。愛らしくも美しい容姿に 無駄のない優雅な立ち振る舞い 花のような笑顔。プリンセスになる為に生まれてきたようなセレネ。
それは、このパーティーが始まってからずっと 周り注目を集めていた。



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