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【イケメン王宮】花冠

第10章 -お披露目パーティー







キラキラと眩い光に目を細め 会場へと 一歩踏み出した。



「ウィスタリアプリンセスのセレネ様御成です」


大きくファンファーレが鳴る。
螺旋階段の上に立ち カーテシー[お辞儀]をすると ざわめきが消え あちらこちらから ほぅ…とため息が聞こえた。
真っ直ぐ前を見て ドレスの裾をフワリと持ち上げ 螺旋階段の手摺に手を添えながら ゆっくりと降りる。


階段下には、ルイが待っていて ニコリと微笑みお辞儀をすると 一曲お願いします。とダンスの申し込みをされた。
ルイが出した手に自分の手をそっと乗せ フロアの真ん中にエスコートしてくれた。


周りは、二人を取り囲むように 場所をあけ 二人向き合って もう一度挨拶をすると 音楽が奏でられ始めた。



ルイの手を取り ルイにレッスンしてもらったダンスを踊る。
ニコニコ笑いながらクルクル クルクルと…


「…セレネ綺麗…全員、君を見てるよ。」


「ふふっ…ルイ、ありがとう。皆さん、私が新米プリンセスだから不安で見守ってくださってるのね。」


「…そうじゃないと思うけど…。」


自分の魅力がまるで分かってないセレネ。
この一ヶ月で彼女の抜けているところをお城の皆は、存分に知れた。マイペースの癖に 妙に感が良かったり 頑張りすぎる所や努力を惜しまない所 でも、夢中になりすぎると周りが見えなくなったりする事 人の気持ちに敏感なのに 自分か絡むとまるで分からなくなる。



恥ずかしがり屋で奥手なのに いざとなるととても堂々とするところ。
今のセレネが正にそう。
あんなに 不安がっていたのに ルイの目の前で踊る彼女は、とても堂々としている。
不安など微塵も感じない 花のような笑顔。


パレードで孤児院の子供と接した時も 突然のことにも関わらず とても堂々としていた。優しい聖母のような優しさで子供達と関わり 一人一人に声をかけ…そんな彼女をルイは、どうしよもなく愛しいく感じていた。


会場にいた者は、セレネの輝き、美しさや仕草に見蕩れ そんな彼女を見る『氷の人形』と言われていた ルイの微笑みに驚き 溜息を漏らしていた。



ルイとのダンスが終わっても セレネにダンスを申し込む者は、後を絶たなかった。





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