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【イケメン王宮】花冠

第9章 -久々の休み





ユーリは、お腹に入れるものを用意すると言い出ていき。
用意している間に身体を拭いてさっぱり出来るようにメイドさんまで呼んでくれた。
着替えをしたかったからありがたい申し出。
すぐ来てくれたのは、私より 五歳上のメイドさん。


プリンセスになって身の回りをお世話してくれることが度々あり 話すことが多く 仲良くなっていた。


「セレネ様失礼致します。お身体のお加減いかがですか?」


「心配かけてしまってごめんなさい。手間まで増やしてしまって…プリンセス失格よね…。」


オケにお湯をはり 体を拭くように 布を沢山用意してワゴンに載せてきてくれた彼女にそう言うと
驚いた顔をしたけれど 優しく微笑んでベッドの近くまで来た。



ネグリジェのリボンを解き顕になった背中を 温かく絞った布で優しく私の身体を拭きながら 話してくれた。



「セレネ様は、本当にお優しいですね…。私達の様なメイドに迄お声をかけて下さって お礼まで言われるなんて…今までお会いした方にそんな方おりませんでしたよ?」


「そうなの?」

「はい。そんなセレネ様だから このお城の下働きの者も皆 プリンセスの事がとても大好きなんです。」


そんな事を言ってもらえ とても嬉しくて 弱っている心に染み渡って 涙があるれるのが分かった。


「でも、セレネ様の事が大好きなのは、私達だけでは、無かったようです。」


「…?」

意味が分からず 首を傾げる私を見て
前を拭くように 布を手渡しながら もう一枚布を絞った彼女は、続ける


「ふふっ…セレネ様は、寝てらしたから知らなかったと思いますけど プリンセスのお部屋には、常に誰かがいらしたんですよ?」


「…寝込んでいたこの二日の事?…」


「ええ。ジル様もユーリ様も…アラン様レオ様、それから ハワード公爵様も代わる代わるプリンセスのお部屋に来られていました。」


「知らなかった…。」

驚く私にニコリと笑うと 新しいネグリジェを着させてくれた彼女は、両膝を床につき 私の手をそっと握り 顔を見あげて


「セレネ様は、私たちウィスタリア自慢のプリンセスです。どうか、これからも 頑張ってくださいませ。セレネ様にお使え出来ることを誇りに思っています。」


「…っ。ありがとう!」




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