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【イケメン王宮】花冠

第9章 -久々の休み







夢を見ていた気がする…。
とても温かい 穏やかな夢。笑い声が聞こえて……あれは、誰だったんだろう…?



顔に冷たさを感じて 重い瞼をゆっくり上げた…薄く目を開け 何度も瞬きをする。
視点が合うと 目の前に見えるのは、薄暗い部屋と見慣れた 天蓋。


(……。あれ、わたし……。)



冴えない頭で記憶をたどるも 思い出せず ぼーっとしていると不意に声が聞こえた。


「目、覚めたみたいだね。…身体、辛くない?」


声のする方に顔を向けると 心配そうな顔で私をのぞき込むユーリの姿があった。



「ユーリ?……私…どうして…?」


「…座学の後、倒れたんだよ。覚えてない?」


「あ…。」


少しづつ 頭がはっきりしてきて レオの部屋での事を思い出した。
ユーリは、息をつくと ベッドの縁に腰掛けた。

「レオ様が見つけて ここまで連れてきてくれたんだ。…ん、熱だいぶ下がったね。」


私と自分の額に手を当て 熱を計ったユーリがほっと息をつき ニッコリ微笑んだ。ベッドからゆっくり身体を起こす私の背に手を添え


「セレネ様丸二日寝てたんだよ。何か食べられる?」


「そんなに?…あ、公務…」


「……。」

ユーリは、驚いたように目を丸くした後、眉を寄せ怪訝な顔をすると 体を起こした私の鼻を摘まれ。驚いて目をギュッと閉じた。


「ほぁっ!」

「今は、身体を休めることが先でしょ。暫く休めるから ちゃんと寝て 食べて ゆっくりしなきゃダメ!ジル様にも言われてるし 明後日までお休み取れるみたいだから少しは、自分の身体大事にして。分かった?!」


捲し立てるように 腰に手を当て仁王立ちして言うユーリにビックリして パチパチ瞬きをしてポカンとしながら頭を下げ頷いてしまった。
私に呆れながらも 水の入ったコップを手渡してくれ 飲むように促され口にする。


コクリッ


「ユーリ…。心配かけてごめんね?少しだけ何か食べたい…かな。」


コップを両手で持ちながら肩を窄ませ オズオズとユーリの顔を伺い見れば とことん優しい顔をして琥珀色の瞳が笑っていて ドキリッとした。外は、暗いのに ユーリの笑顔は、お日様があっているように 輝いていた。



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