第9章 -久々の休み
二人で笑って 話していると ユーリが戻ってきて 私達を見て 不思議そうな顔をしていた。
メイドさんは、持ってきたワゴンを押し ニコニコ笑顔で頭を深く下げ 部屋を後にした。
私は、ユーリが持ってきてくれたスープを口に運びながら 今あった事を話した。
ベッドの横の椅子に座りながらユーリは、「うんうん。」とニッコリ笑ってベッドに頬杖をつきながら私の話を聴いていた。
スープを食べ終え 渡された薬を飲んでベッドに横になると ユーリが肩までシーツをかけてくれ
ふかふかのお布団に身体を沈め 目を閉じ ゆっくりと夢の中に入っていった。
次の日もしっかり寝かせてもらったからか だいぶ身体も楽になっていた。 お布団の中でゴロゴロとしていると ジルが部屋に来た。
「セレネ 顔色も良くなってきましたね。安心しました。」
「ジル、心配かけてしまってごめんなさい。お仕事もお休みしてしまって…」
「大丈夫ですよ。貴女がずっと頑張ってくれていたので 問題ありません。」
安心してください。と真っ直ぐに私を見た。
「セレネに報告することがあります。」
「報告…ですか?」
「お披露目パーティーにシュタイン国王もいっらっしゃることになりました。」
シュタインの名前に 心臓がドキリッと跳ね上がった。
「シュタイン…ですか…」
「はい。…謎の大国と言われている隣国です。一泊お泊まりになられるそうですが…」
「…え…。」
お兄様がウィスタリアに来て下さる。しかも 泊まって行かれるなんて 嬉しいと思っていたがジルは、不思議そうな顔をしていた。
「お披露目パーティーに来られるだけでなく お泊まりになられるなんて 貴女への関心の強さが分かりますね。くれぐれ 失礼のないようにお願いします。 ダンスも踊ることになると思いますのでそのおつもりでいて下さい。」
「…はい。」
お兄様に会えても 《ウィスタリアのプリンセス》として 会うから《シュタイン国王の妹》だなんて周りに知られては、駄目な訳で 今までのように 抱きついたり ずっとお話することも出来ないんだ…と思ったら 寂しくて しょんぼりしてしまった。