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【イケメン王宮】花冠

第9章 -久々の休み







暫くして 部屋に戻ってきた ユーリは、水の張ったオケをワゴンに乗せタオルや飲水も準備よく用意していて その後からは、ジルと医師も一緒だった。


彼女は、疲労と風邪で暫くゆっくり休ませれば大丈夫との医師の見立てだった。
医師を見送り戻ってきたユーリとジル。
三人でまだ、呼吸の荒いセレネを見ながら


「…無理をさせ過ぎてしまいました…。」


「セレネちゃん…頑張り屋だから 誰も体調が悪いなんて気が付かなかったし…仕方ないよ…。」


「…ジル様…セレネ様は、暫くお休み出来ますか?…」


ワゴンに乗ったオケのに布を浸し 水を絞りながらユーリが聞いた。


「…当然です。様子を見ながらですが…三、四日ゆっくり休んでしっかり治す事が優先です。」


「…良かった…。セレネ様最近 寝る間も惜しんで勉強してたからゆっくり寝られますね。」



そう言いながら セレネの額の上に布を乗せたユーリの顔は、ひどく優しかった。


「レオ 仕事を手伝って貰えますか?」


「勿論。それで セレネちゃんがゆっくり休めるなら。」



ユーリにセレネを頼み ジルと部屋を後にし 眼鏡を取りに行く為一度ジルと別れ 自分の執務室へと足を向け歩いた。



部屋に向かいながら 自分の両手を見 さっき抱き抱えたセレネの重さを思い出していた。


(……。軽かったな…女の子ってあんなに軽かったっけ…?)


掌をぐっと握りしめ 溜息をつき 掌の力を抜くと左手を首の後ろに持っていき 顔を上げると 廊下の向こうから 焦ったようなアランを見つけた。


(…アラン。セレネちゃんの事聞いたんだろうな…。)



レオに気が付きながらも 通り過ぎようとする アランの腕を掴んだ。


「…何だよ」


イラつきを隠しもせず掴まれた腕見た後 眉を寄せレオを睨んだ。


「…疲労と風邪だって。」


「……。」


「しっかり休めば大丈夫だってさ。今、熟睡してる。…仕事も暫く休みだって。」


掴んだ腕を解くと アランは、クルリとマントを翻し 元きた方向に足を進めようとした。


「…行かないの?」


「…ユーリが付いてるんだろ。あんたもジルも行っただろうし…落ち着いてから行く。」



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