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【イケメン王宮】花冠

第9章 -久々の休み






手に触れた時 セレネちゃんの手が冷たかった。
彼女の手は、いつも温かかいのに 頬は、少し火照っていて 体調が悪いんじゃないかと思ったのに
ニッコリと花のように微笑むから 思いすごしかな…と思った。


彼女は、我慢強くて 頑張り屋でこれだけ忙しくても 文句も言わずに 走り回りながら公務をこなしていた。
最初の頃 廊下を走るなんてしなかったセレネちゃんだけれど 公務の量が増えれば増えるほど お城の中を慌ただしく走り回る彼女をよく見かけるようになって心配していた。



今だってカリカリとペンを走らせ 齧り付くように頭の中に叩き込んでる様子だった。
ジルに人の妹 扱き使わないでくれって抗議したけど…



『お披露目パーティーが終わったら暫くお休みになれるようにしますから 我慢してください。』


とか言われちゃってさ…
俺が手伝えることなら幾らだって手伝っちゃうけど 中々そうも行かなくて 見守ることしか出来なかった。


あんなに甘えん坊だった 妹がこんなにも綺麗に立派に成長して 寂しい気持ちと 時々 妹だって事を忘れそうな自分がいたりして 女の子の成長の凄さを感じていた。


(…アランも同じ気持ちだろうな…。)

「…お疲れ様セレネちゃん。無理せずゆっくり休むんだよ?」


「…レオ、ありがとう。」


微笑んだセレネちゃんは、ほんのり頬が色付いていて 自分の頬が赤くなるのを感じだ。眼鏡を取る仕草をして顔を背け 誤魔化し
お辞儀をして執務室から出ていく彼女を見送った。
扉が完全に閉まる前に廊下から ドサドサッという音が聞こえ
ハッとして ドアを開け廊下に出ると


…彼女が倒れていた…。


「…っ…。セレネ!!!!!」


慌てて抱き上げ滑らかなセレネちゃんの頬を触ると 熱かった。
額もしっとり汗ばんでいる。

(さっき頬を染めてたのは、熱があったからだ!…クソッ、俺は、何を見てるんだ…。)


上着を脱ぎ セレネに掛け 抱き上げ 彼女の部屋に向かった。
部屋につくと ベッドに寝かせ 直ぐジルに報告し医者を手配してもらい メイドを呼び 着替えさせてもらった。





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