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【イケメン王宮】花冠

第8章 -ダンスレッスン






「…君、踊れるの?」


「?はい、簡単なものだけ…」


「…そう。」



ルイの問いかけに 頭を上げ 小首を傾げ答えた。


「…ジル、曲流して。」


「畏まりました。では、ショパンの『第六番 64-1』を…」



曲が流れ始め ホール(ダンスの基本型)に入る。
クルクル クルクル…楽しい…滑らかに、優雅になるように踊る…私、ダンス好きなんだなあ…なんて思ってた。
シュタインでも時々お兄様やユーリ、アルやマリアとも踊った。
楽しくて 笑いすぎて 最後ダンスと呼べない状態だったけど とても楽しかった。


「…昨日、帰らなかったんだね…」


「え?…」


「昨日…中庭で言ったでしょ…」


中庭での会話を思い出す。
(…『直ぐに帰った方がいい』…心配して下さってたものね…)


「…ごめんなさい。心配して下さったのに…。」


「……。君は今…、苦しくないの?」


その言葉に弾かれたように顔を上げ ルイを見た。



(ルイは、私の心配をずっとしていてくれたんだ…昨日だってそうだった…)


自分決めた事 今思っている 私の精一杯の気持ちをルイに言葉にして伝えなきゃって…そう思った。


「………。心配させてしまってごめんなさい。私ね 凄く悩んだけど 後悔はしていないの。自分で決めた事 前を向いて歩いていくって決めたの 私は、私らしいプリンセスを目指していく!」



「…っ…。君は…」


ルイは、フイッと顔を背けると 突然 クルクルとクイックスピンをかけてきた。



「わっ!!!あははっ」


「…クスッ…」


宝石のように綺麗な ルイの瞳は、優しく微笑んでいた。
それにつられて私も顔が綻ぶのを感じた。


「ホイスクからシャッセの時の顔の位置に気をつけて。 腰が引けてたからもっとくっついて。突然の変換にも付いてこられるようにして。」


「はい」


「…型が綺麗だった。」


褒められたのが嬉しかった。 ユーリが休憩のお茶を持ってきてくれた後も注意されていたところに気をつけながら 花のようにクルクルと踊り続けていた…





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