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【イケメン王宮】花冠

第2章 -新しい日々






ゼノやセレネの髪や瞳の色は、珍しい。
この子供…いや、少女のようなビスクドールこのような外見であれば 人目を引くことは、間違いなかった。
表情を出さないからなおのことだ。


現に騒ぎがあったからだけでは無く
行きゆく人の殆どが少女をみているのだ。



「おばちゃん大丈夫?…じゃ無さそうだね…」


「ゼノ様、どう致しますか?」


「…連れていくぞ。」


「「はい!」」



ご婦人は、涙を流しゼノたちにお礼を言っていたが意識は、朦朧としている。余程のことがあったのだろうか…
ことの経緯を観ていたが声をかける人が居ないことからも 放っておくことは、出来なかった。


少女に近づくと初めてお互いの視点が合った。
抱き上げると随分と軽く少し驚いた。この年頃の子は、こんなにも軽いものなのだろうか
ゼノにも馬にも怯えることもせずじっと抱き抱えられて居た少女だったが 城に着く頃には、スヤスヤと眠っていた。



小さな白い手は、ゼノのマントをギュッと握りしめていた。
何も感情もないないように見えたが こんな小さな少女だ ああ、怖かったのだなと思うと共に 縋り付く仕草に愛しさを感じた。



それを見たユーリが驚きながらも「可愛いなぁ」と頬を緩ませていた。



城に着くと 出迎えたメイドに医者を呼ばせ
婦人を診てもらうも肺炎を悪化させており持って数日との事だった。



「どうか、セレネ様をお守りください」が婦人の最後の言葉だった。


高熱で会話など殆ど出来なかったが 少女の名前が「セレネ」という事歳が六歳だということ 右耳見えにくいが上の部分にルビーで薔薇をあしらったピアスを付けていること それを外さずに更に人に見せないでほしいこと 人前で怒りを顕にさせないで欲しい事を頼まれた。



ルビーは、硬化度も高い それを薔薇に彫るのは、それなりの腕が無いと無理だろう。 それを付けていることからも貴族の娘である事は、間違い無かった。





セレネは、城に連れてきてから ゼノのそばを離れることがなかった。とは言え、ゼノも忙しい身 連れて行けない時は、アルかユーリが面倒を見ていた。



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