第7章 -確信
セレネの《危機感のなさ》に困惑したと同時にため息が出た。
年頃の女の子だし 料理の為の買い物をしたいってことも 分かっていたけど
一緒に城下に出れば 老若男女関係なく セレネを見てポーーーーっとしてるのなんて いつもの事。
ちょっと離れて歩るいて様子を伺えば 声をかけようとしてくる男もいる訳で 俺達が睨み利かして 追い払ってるのもセレネは、知らない。
変な虫を寄せ付けない為に マリアと二人で出掛けるのだってずっと反対してきた!行きたければ 俺もアルもゼノ様だって幾らでもついて行くのに!!!俺達がいない時に限って出掛けたがる!
ん?俺達が居ないからこそ 出かけたいのか?!…ち、違うよな…
マリアにだって あれ程 離れるなって言ってあったのに シュタインじゃないからって気を抜いたな…はあぁぁぁ…
その上 他国のプリンセスに選ばれるとか…セレネは、どれ程 自分が可愛くて特別なのか全くわかってない!
たまたま俺がいたからまだ良かったけど 簡単に俺達が護ってあげられないような所に勝手に行くなんて
何かあったらどうするつもりでいたの?しかも プリンセスで国王選びって!俺もアルも 多分ゼノ様だって セレネの事 嫁に出すつもりもなければ 別の男なんて以ての外なのに!!!
なんて…嫉妬と不安とか身の心配とか…あー!色々考えたら 怒りが湧いてきて ドアに押し付けて 怒ってた。
なのに…間の抜けたような答えが返ってくるし…
しかも何?鼻の頭と頬赤くして 大きな目をウルウルさて 挙句 小首傾げて 上目遣いで『ごめんなさい…』だ?!
煽ってるの??…ん?俺、試されてる???いやそんなことは無い。自覚なしだもんね…知ってたよ…昔からそうだもんね…だから心配で可愛くてずっとそばにいたんだもんね…
セレネのその仕草に俺もゼノ様もアルも弱くて そんなんでお願いされたら 何でも願い叶えたくなる程だ。
そんなの見たら怒る気が失せた…はあぁぁぁぁ…何回目か分からないけどさ…溜息しか出ない…
「セレネの事だから 流されて引き受けたわけじゃなくてそれなりに考えて引き受けたんでしょ?」
「…うん…」
なら、仕方ないね。俺も勝手に行動してたし 偶然にもセレネの専属執事でそばに居るわけだし…とブツブツ呟いていた…。