第7章 -確信
セレネのすることには、ゼノもユーリたちも いつも目を細め にっこり笑っていた。
物を壊してしまっても 叱られたことがない。
逆に怪我をしなかったか?と心配されていたくらいだ。
今考えたら 結構大事な物を壊したんじゃないか?という記憶があるくらいた…
でも、とある事をすると 本気で怒られた。
“とある事”は、三人とも共通していて《セレネの身が危険な事》に関してだった。
窓の外を見たくて 台を持ってきて 身を乗り出し過ぎて 落ちそうになった時も お兄様やアルたちの剣を見たくて弄った時も 蝋燭で遊んだ時も 抜け道で遊んで迷子になった時も アルたちが騎士の訓練をしてる時 飛び出した時も…かなり怒られた。
ユーリは、怒る時 私をユーリと同じ目線に座らせるか
ユーリが私と同じ目線になるように屈んで叱った。
怒る時、声が半音さがるのだ。
そう、今まさに叱られる体制に入っているのだ…
「…セレネ…理由は?…」
「あ、あの…ね…マ、 マリアとウィスタリアの城下までお買い物に来てて別行動して…そ、その時にジルにお会いして…お話して…《お城》迄送ってくださるって言われたのを、シュタイン城だと…思い込んじゃって…つ、着いたら ここで…気がついたら…ぷ、プリンセスになってて…」
「はあぁぁぁ…セレネそれって勘違いしてここに来たってこと??!」
大きな大きな溜息を吐き そう言いたがらユーリが顔を上げた。
「う、うん…」
「昔からちょっと抜けてるところあったけどその大きな勘違いと《危機感のなさ》直さないと…」
「う…はぃ…ごめんなさい」
「それに 常々、俺たちがいない時のお忍びは、危ない!って言ってて あの方だって『辞めて欲しい』って思ってるの知ってて その上 更にマリアと《別行動》してたの?!
セレネは、自分自身の事ちっとも自覚してないの?!」
《危機感のなさ》って言われて 自覚しているだけにへこむし反論できるところがないだけにちょっと泣けてきた…
でも、ここで泣くのは ずるいから我慢して
ユーリの目を見て ごめんなさいってもう一度伝えると
「う…もう、いいよ…」
と、何故かユーリが項垂れていた。
(…?…)