第5章 -決意
「貴方は、チャラすぎるのです。もう少し 王宮官僚らしくしてください。」
二人のやりとにくすくす笑う顔を見て 昔のセレネの面影を見た気がした。
「レオ様ですね。至らないところばかりですが色々と御指南の程よろしくお願いします。」
「様は、要らないよ。プリンセスなんだから それに 敬語もなしね?俺もセレネちゃんって呼ぶね」
「え、はい…じゃなくて、ぅん?」
「私の事も 様を付けずに 『ジル』とお呼びください。貴女の教育係を担当いたします。」
「はい」と微笑み くるりとこちらを向いた。
「彼は、王宮騎士の団長を務め 貴女の警護をする アラン=クロフォードです。乗馬担当になります。」
「アランでいい。俺にも敬語や《様》は、要らねえ」
セレネは、にこやかに笑うと
「ジル アラン よろしくお願いします」と頭を下げてきた。
頭を上げると ジッとレオとアランの顔を交互に見ると…
「……ご兄弟………ですか?…」と小首を傾げ小さな声で呟いた。
「え…」
「……。」
ハッとしたように顔を赤くして俯くと
「ご、ごめんなさい。ジロジロ見たりして失礼な事を…」
と肩を窄ませ小さくなっていた。
レオとアランは、顔を見合わせると ニコリと笑ったレオが
「大丈夫だよ。でも…なんで 兄弟だと思ったの?」
「アラン殿とレオは、似ていませんよね?」
セレネは、オズオズと顔を上げもう一度 アランとレオの顔を見ると
「似て…いますよ?」
「へぇー…俺達を兄弟って一髪で当てたやつ初めて」
「大抵似てないって言われるもん。ね?アラン」
「…一応、双子…」
双子に、少し驚いていたが 間違っていなかったことなホッとしたようにやっぱりと言い笑っていた。
レオと兄弟だと当てられたことは無かった。
双子だと知られれば大抵が「似てない」と言われ「赤い目が同じ」と認識されるくらいだ。
それをすぐに言い当てた。
俺達が兄だと知っているのか?とも思ったが そんな素振りは、全くなく クロフォードの名にも反応しなかったのは、見逃さなかった。初対面の人と話すのと同じだ。 忘れているのか…気には、なったが ここでレオと確認を取れてない今追求するのは、辞めた。