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【イケメン王宮】花冠

第4章 -プリンセス選考会






そんな事を思い出していれば レオが歩いてくるのが見えた。
昔の…幸せだった時のレオと今の何かを諦めたレオは、別人で 話すことも無くなっていた。
正確には、話しかけられるが アランが話そうとしないのだ。


でも、妹…セレネとなれば話は別。



アランに気がついたレオは、真っ直ぐ歩いてきた。
合図をすれば 目をそちらに向け ジッと見て視線を外すことは無かった。



「…あの子がセレネによく似ている子ね…ふぅん…ルイと笑顔で話す子、初めて見たよ。ルイも話しかけてるね…」



「あんた煩い…」



確認したいのは、ルイに話しかけてることではない。
まあ ルイと笑顔で話す女を見るの あの言葉数少ないルイが話しているのを見るのは、アランも初めてだが…
議論したいのは、そこではないのだ。


「で、…アランは、どう思う?…」


「…もう、十数年も前だから何とも言えねーけど…似てると思う…」



チラリとアランを見ると 視線を戻し目を細めると 同じく。返ってきた。
その後も暫く二人で中庭のセレネに似ている女性をジッと見ていた。



ジルの合図で大広間の警護をしに行けば
プリンセスに選ばれるためにこぞって集まった女性が沢山。
アランを見て駆け寄ってくるものも少なくなく。
むせ返る香水や化粧の匂いに怪訝な顔になる。


ガヤガヤと煩かった会場も ジルと…ジルの連れた女性によってシーンと静まり返った。


それもそうだろう。
ジルの連れた女性は、着飾る事をしていなかったが ここにいる女性たちとは、違ったのだから。
何が違うのか…ドレスも派手では無い。寧ろシンプル過ぎる位だ。
化粧もしているかどうか分からないくらいだ。
ゴテゴテとジュエリーも身につけていない…目鼻立ち…?いや、美と愛らしさを持っているのは、確かだが…


放たれる雰囲気だろうか 目を惹き付けられた。
重力があるのではないかと思う程に…華麗な装いがそれを更に増しているようだった…


ジルにエスコートされかなり綺麗な身のこなしで壇上に上がるとスっと姿勢を正して前を向いた。
向けられた拍手は、より一層大きくなった気がした。
おそらく…ここにいるプリンセス候補だった女性誰もが 壇上に立つ女性を《プリンセス》と納得しただろう。


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