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【イケメン王宮】花冠

第4章 -プリンセス選考会





彼女は、何かを考え少しだけ目を伏せたが
会場にいるごく一部しかそれは、分からなかっただろう。
でも、一度だけ ジルをしっかりと見上げていた…


(あいつ…プリンセスに選ばれたこと…知らなかったのか…?)



信じられない…というような顔をしていた。
実際、セレネにとって 青天の霹靂だったのだから仕方ない。
顔面蒼白になったかと思うと…




次の数秒をアランは、信じられないものを見るように目を見開き 脳裏から離れることがなかった…。




だがここは、プリンセスを紹介している大広間だ。
今動くことは出来ない…ハッとした時には、彼女も元の冷静さを取り戻したようで周りを見渡していた。



「プリンセスが決定致しました。新しくウィスタリアの顔となられるプリンセスセレネの誕生です。」



ジルの落ち着いた声で恭しい挨拶と《選考会終了》の説明 が続き。彼女の…プリンセスセレネとして挨拶を求められていた。



実際、目の前でプリンセスが選ばれるのを見るのは、初めてだったが 過去の話だけは、聴いてあった。
プリンセスとしての難関の一つ目。
突然選ばれ その会場で挨拶を求められること…。



前もって 多少の指南があったりもするようだが それがあってもざっくり 聴く程度で余程秀でた人物か予め用意されていた《裏の人間》でない限り 完璧な挨拶などできるはずがない。そんな《裏の人間》 を使わないための【プリンセス選考会】だ。まあ、今まので前例を見聞きした限り 会場の好奇の目や嫉みの視線で緊張し 名前を言うのがやっとだと聞いていた。



それに 今回プリンセスセレネは、壇上に上がり初めて 自分がプリンセスに選ばれたと知ったくらいだ。
ガタガタな挨拶になったとしても誰も文句等言わないだろう…いや、言えるわけが無いよな。
そう思っていた。



「プリンセスに選ばれましたセレネと申します。未熟ながらも精一杯務めさせて頂きたく思います。王宮関係者並びお集まり頂きました皆様に厚く、御礼申し上げると共に どうぞ 以後お見知り置き下さいませ。」



そう言うと完璧なまでの立ち振る舞いで挨拶をしてみせた。
息を呑む音が聞こえた…それもその筈、ジルまでもが目を見開き驚いているのだから。


--そこには、【プリンセス】がいたのだから…
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