第4章 -プリンセス選考会
ゆっくりと周りを見渡せば
こちらを食い入るように見ている人が数人いるのに気がついた。
プリンセス選考に落ちた女性…では無かった。
そぅ…男性……
(…一人は、ジル……それから 騎士の方……あれは…先程中庭でお会いした方?……もう一人……礼服を着てらっしゃる…プラチナプロンドの男性……あと数名の方…遠くてお顔がわからないわ…)
ここまでほんの2分も無かったくらいだろう…その間に 頭をフル回転させて考えた。その2分がとてつもなく長く感じた…
「皆様、プリンセスが決定いたしました。」
ジルは、微笑みを携え プリンセス決定と選考会終了を広間にいる方たちに丁寧にハッキリとした口調で話、説明していた。
最後に挨拶を求められ
「プリンセスに選ばれましたセレネと申します。未熟ながらも精一杯務めさせて頂きたく思います。 王宮関係者並びお集まり頂きました皆様に厚く、御礼申し上げると共に どうぞ、以後お見知り置き下さいませ。」
ドレスの裾をフワリと持ち上げ 背筋を伸ばし微笑み腰をおり正式なご挨拶をした。
正直、しまったと思った。庶民がこの挨拶は、おかしい できるわけがないのに 軽くパニックになっていたのだろう。
でも、やってしまっては後の祭り。ここで取り乱す方がみっともない。頭をあげると…
案の定…見惚れ溜息をつく女性たちと、固まり目を見開く数名の方たち…
落ち着いて、落ち着いて真っ直ぐ立ち上がり笑顔をみせた。
目を見開いていたのは、ジルも同じだったのか
ハッと息を呑むのが分った。
すぐに元の妖艶な笑顔を見せ この集まりが終了した事を告、手を引き 段差を降りると 用意された椅子に座らせてくれた。
集まった方達が落ち着いてからきちんとした説明をするから 暫くここで待つように言われ。
溜息をつき 広間に居る方達を見ていれば 近くには、先程の騎士の方が立っていた。
私の後に居るということは、護衛の為だろう…。
邪魔をしない為にそちらを向くことは、しなかった。
帰られる方たちの中には、肩を落としている方も入れば
私に近づき 『頑張って下さいね』と少し興奮しながら挨拶をして下さる方までいた。
丁寧にお礼と挨拶を返し 「気をつけてお帰り下さいませ」と声をかければ 何度も振り向き 頭を下げていった。