• テキストサイズ

【イケメン王宮】花冠

第3章 -ウィスタリア





また声をかけられるとは、思っていなかったのだろう
先程より更に驚いた顔をし 私の顔をじっと見つめ 少し視線を外し何かを考えたあと



「ええ、そうです」


と答えてくれた。
ならば、馬車で一緒に城まで行けばいい。
彼女の周りに付き添っている人も見当たらない…となれば一緒に来ている人間は、一人だろう。
警戒されている感じもない。お店での彼女の行動からしても急いでいる様子もなかった…ならば、時間は、あるだろう。



一緒に来ている人間も後から何とでもいうことが出来る。
だが、彼女は今ここで連れていかなくては次は、ないだろう。一緒に来ている人間に今ここで会わせるわけにも行かない。
少し強引ではあるが…



「お城でしたら私もこれから行くのでご一緒にいかがですか?」


「…ありがとうございます。ですが 待ち合わせしているので…」


「では、その方は、後程迎えくる…と言うのでは、どうでしょう?城下も今日は、この様に少しざわめいておりますしお店も早くにしまうと聞いております。もし、城へ行くのであればなるべく早い方がいいかと思うのですがどうでしょうか?」


最もらしいことをいっては、いるが 若干焦っていた感は、否めない。
それでも 少し考えた後、ご迷惑でないならお願いできますか?と言ってくれた。


セレネは、ゼノの公務や視察を手伝っていたことから 城下に対しある程度知識は、あったが【政治的に】という意味であって
人との関わり方を知らなかった。
城では、ゼノやアル、ユーリ、マリアや教師など気心知れた人としか接していなかったのだ。


セレネの事となると ゼノや完璧主義のアルバート、世話焼きのユーリ、身の周りのことはマリアがしていてくれた。
一通りのことは、出来ているセレネであっが ハッキリとした生い立ちも分かっていない上、利用しようとする人間が出てくる可能性は、大いにある。
危険に巻き込みたくないという思いから セレネの存在も広めていなかったし 信頼の置けない人間との関わりを経っていた為 《危険》に関して 少しばかり鈍かったのだ。


頻繁では無いにしろ マリアとふらりと出掛けることも ゼノたちは、あまり良く思ってなかったくらいだ。


/ 114ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp