第17章 -揺れる気持ち
突然告げられた言葉に 目を見開いてしまった。
オリバー様は、素敵な方だと思う。
誠実で 優しく気遣いが出来て 貴族のあり方なんて事も考えていらして とてもしっかりした方だった
突然選ばれたプリンセスだからと 私の事を無下にされることもなかった。
「…あの…私の、どこを気に入ってくださったのですか?…」
オリバー様は、少し頬を赤らめ 照れたように話してくださった。
お披露目パレードで孤児院の子供と接する私に感動し
パーティーで心奪われたのだと。
ダンスを一緒に踊った時の私の笑顔に惹かれたと…
デート公務の時 一緒出来たことが嬉しかったけれど
緊張してあまり喋ることも出来なく
縁談が持ち上がっていて このまま終わりたくないと思い今日来たこと…
事ある事に 私を思い出してくれていたと…話してくれた。
とても真っ直ぐな気持ち
驚いたけれど 嬉しかった。
でも…私が求めてるのは、この方じゃない…。
私が思い描く方は…。
勇気を出してここまで来て
気持ちを伝えてくれたことは、とても嬉しかった。
だから、「ありがとう」と伝えた。
その上で 気持ちに答えられないと…
オリバー様に聞かれた。
「貴女の心を捕らえている方は、どんな方なのですか?」
「わ、私は…」
「…恋を…しているのですね…」
「え…?」
「その顔を見たらわかります。」
私は、どんな顔をしていた?
気持ちを伝えられた後、とてもいい顔をしていたと言われた。
これで、気持ちに区切りをつけられたと。お礼を言われ
オリバー様は、お城を後にした。
「ユーリ!!」
「ユーリ!セレネに来客って…!」
「アラン様とレオ様。クスッ…すごい剣幕、クラーク公爵の一人息子なら帰られましたよ。」
「…お城まで来るなんてどんな用事だったの?」
「セレネ様に告白なさってましたよ。」
「「なっ!!!」」
「公爵がプリンセスとは、見込みがないって判断したみたいで
縁談持って来たらしくてさ…諦められなくて来たみたい。」
「……。」
「それで、セレネは、なんて…」
「…断ってましたよ。」
別件で用事があって そばにいなかった二人は、突然の訪問があったことを聞き デート公務の相手の中でも 好印象だったオリバーのことは、覚えていた。