第2章 彼のセリフで7題【黒バス】
「ところで、見つかったか?例の本。」
「見つかるわきゃねーっしょ。こんな本の山ん中で。遭難して、授業遅れたら赤司サマのせいだからな。」
「…そうか。」
「そうだよ。」
「杏里の皮肉は一級品だな。」
「そりゃどーも。あざーっす。」
「…。」
例の本とは、赤司サマが先生に頼まれた本だそうだ。で、何故かわからんが、私に手伝えと言ってきた。他に赤司サマに心酔している女はいるだろうに。
「…あ、これじゃね!?赤司サマが探してた本!!」
昼休み残り5分で声をあげたのは杏里だった。
「本当か?題名は?」
「えっーと…『バスケ入門書』。あってるだろ。つーか誰だよ。これ読みてーって言ってる先生。」
「生徒に教える参考にするらしい。よし、あってる。行くぞ。」