第15章 shine of the palm
❁❁❁ 大和side ❁❁❁
紡「急遽、大和さんの代役でしたけど、愛聖さんってやっぱり凄い方ですね」
「あー・・・そうだな・・・」
モニターを消しながら、マネージャーが目をキラキラさせる。
紡「特に最後の!私は同性なのに、なんかハートを撃ち抜かれた気分です!まだドキドキしちゃってます」
「あ、はは・・・そう・・・そりゃスゲーな」
あれを愛聖にやらせたのは、間違いなくリクだな。
オレがこうなる前に話していたこと全てが、今の愛聖によるリハでハメ込まれてたし。
っていうか、どうなる事やら・・・だなんてモニターに見入ってたオレも、うっかり撃ち抜かれた気分になっちまってるっつーの!
あれを、オレがやるのか?!
自分でやってみようと思ってた事だけど、いざ目の当たりにすると、めちゃくちゃ恥ずかしいじゃないか?!
紡「あの、大和さん?なんだか顔が赤いみたいですけど大丈夫ですか?」
恥ずかしさのあまり片手で顔を覆っていたオレを見て、マネージャーが心配までしてくれる始末。
「あー、ハハッ・・・平気平気。多分ちょっとこの部屋が暑いからだな、うん」
照れ隠しを更に隠すように、顔が赤いのは室温のせいにすれば、却ってマネージャーに気を使わせてしまう。
紡「部屋・・・大和さんの体が必要以上に冷えないようにエアコンの温度を調節してたんですけど、少し下げましょうか?」
「いや、もう大丈夫だから」
そうですか?とマネージャーが言って、手に持ちかけたリモコンをテーブルに置いた。
紡「リハが終わったので、皆さんそろそろ戻られると思います。その後は出番が来るまで楽屋で待機ですから、もう少し冷やす時間が取れますね・・・まだ、痛みますか?」
肩に乗せた保冷剤を取替えながら、マネージャーが聞く。
「最初程じゃないから心配いらないって。ちゃんと本番にはオレがステージに立つから。本番まで愛聖に頼む訳には行かないっしょ?あ、いっそ愛聖にオレのコスプレでもさせちゃう?」
なんてね?と茶化しながら言って、そろそろシャツの1枚くらい羽織っときますかね・・・と、ソファーに放り出したままのそれを引き寄せた。