第15章 shine of the palm
私ってば今日ロングスカートだった・・・靴の事ばかり考えてて服装なんてすっ飛んでたよ。
どうしよう・・・そうだ!・・・これなら動きやすい!
躊躇うことなく長めのスカートの裾を持ち上げれば、それを見たみんながギョッとした顔をしてたじろぐ。
三「おっ、おまっ、お前!何やってんだよ?!」
『何って、この服装じゃ動きにくいし、だったら捲っちゃえ!なんて』
壮「だからってなにもそんなに捲りあげなくてもいいんじゃないかな・・・」
環「そーちゃんの言う通りだよ。じゃないと、マリーのパンツ見えんし」
『みっ、見えました?!』
三「いやまだ見えてねぇけど・・・じゃなくてだな!見えたらどーすんだよ!オレたちだけじゃなくてスタッフ全員にパ・・・パンツ見られちまうんだぞ?!」
『そんなに連呼しないで下さいよ三月さん!・・・でも大丈夫です。ここをこうして・・・こう通して・・・あれ?なんか上手くいかない・・・』
片方の足だけが膝上になるようにしたいのに、どうしてか上手く結べない。
一「はぁ・・・私がやりましょう・・・失礼します」
私の前に一織さんが片膝をついて、私がやりたかったようにスルスルと結び目を作って行く。
一「これでどうですか?緩くもなく、キツくもなくにしてみましたが」
私が変に結んでしまったのを1度解いた一織さんが、私がやるより遥かに綺麗に、そして可愛くスカートの裾を結んでくれた。
『ありがとうございます。一織さん・・・何かと器用ですね』
一「少なくとも、佐伯さんよりはという域ですが。これで子供のようにうっかり下着をご披露・・・なんてことにはならないと思いますよ」
・・・ひと言多くない?!
でも、その場でクルリと回っても膝丈で揺れる裾に満足して、また、一織さんにお礼を言った。
『よし!今から私は二階堂さん・・・二階堂さん・・・』
自分に暗示をかけるように呟けば、七瀬さんが私の肩をポンッと叩く。
陸「あの、愛聖さん。大和さんがリハで試したい事があるって言ってたんだ。もし出来たら、それを大和さんの代わりにやってみて貰えないかな・・・」
『二階堂さんが試してみたかったって、それってどんな事ですか?』
私にも出来ることならと耳を貸せば、七瀬さんはとんでもない事を耳打ちしてくれる。