第15章 shine of the palm
❁❁❁ 天side ❁❁❁
愛聖が飛び出して行ったのと入れ替わりで、番組スタッフがTRIGGERにリハをと迎えに来た。
もう?なんて龍たちはビックリしてたけど、そもそもリハなんて早く終わらせた方がいい。
簡単に身支度をしてスタッフの後を歩きスタジオに入れば、僕たちを待ち構えるかのようにスタッフたちが動き出す。
「八乙女さんはこのカメラ、九条さんはこちらで、十さんはこちらのカメラが専属で回ります。それ以外に引きで撮るためのカメラが2台回ってますので、ファンサービスなどは個人についているカメラを自由に使って下さい」
「分かりました」
楽「俺ら1人ずつにカメラ張り付くんだな」
龍「そういうのちょっと緊張するけど、でも楽は思う存分にファンサ出来るんじゃない?」
「ファンサだけに気を取られて歌詞間違えたりしないでよね。早速始まるみたいだから、シャキッとしといてよ」
ステージに移動しながら楽にクギを刺し、それぞれの立ち位置まで来てスタッフへと合図を送れば、僕たちの曲が流れ出し、僕たちもスイッチを切り替えた。
「TRIGGERさん、お疲れ様です!流石ですねぇ!リハも1発オッケーです!」
「ありがとうございます。お疲れ様です」
いつものように笑顔で挨拶をしてステージから降りる。
楽「そういや龍、お前さっきカメラに抜かれた時に目が泳がなかったか?」
龍「えっ・・・バレてた?!ちょっとびっくりしちゃってカメラから目を逸らしちゃったんだよ・・・」
バツが悪そうな顔をする龍をチラリと見て、本番ではしっかりしてよ?と念を押す。
楽「なんかスタッフたちがザワついてるよな・・・次のリハは誰なんだ?」
「・・・さぁね。でも、僕たちのリハは終わったんだから別に関係ないよ」
すれ違うスタッフに会釈をしながら歩き進み、スタジオから出れるドアの近くまで来ると、そのスタッフのザワつきの理由が聞こえてくる。
「アイドリッシュセブンのメンバー、さっきケガしたとか聞いたけど・・・リハ出来んのか?」
「さぁ・・・今のところ特にはリハしないとか連絡は来てないけど?・・・って、来た来た!」
僕たちの次が、アイドリッシュセブン?
メンバーがケガ?
それはさっき、愛聖が電話で話していた事と一致する部分もある。