第15章 shine of the palm
陸「そうですって!なんかカッコイイし、カメラ目線とかでそんなのされたら、オレはズキューン!ってハート撃ち抜かれちゃいそう!」
「ちょい待ち!オレがそうやってる時は、リクだってその場にいるでしょうが」
陸「あ、そっか!でも、絶対いいと思います。リハで試してみるってのはどうですか?カメラワークとかもあるだろうし、成功したら本番でもやって下さい!」
「あー、まぁ、そうだな。成功したらの話しな」
つか、おれ今・・・凄いデッカイ地雷踏んだ気分なんだけど。
昨夜思いついたのは本当だけど、まさかホントにやってみる事になるとは。
お兄さん結構・・・照れちゃうぞ。
まぁ、言い出したのはオレだし?
とりあえずリハでやって見て、周りの感想聞いて、本番でもやるかどうかは考えるとして・・・
オレが考えながら歩けば、リクはリクで緊張しないように考えると余計緊張するなぁ・・・だとか言いながら歩く。
陸「一織にも言われたし、頑張るぞー!おーっ!」
元気だなリクは・・・と言おうとして、リクが振り上げた手の先が積み上げられた資材に当たるのが目に入る。
陸「痛ってぇ!せっかく気合い入れたのに・・・」
グラリ・・・傾き出す資材・・・
その影が動くのが見えたリクが、何気なく上を向いて。
陸「あっ・・・」
小さく声を出して、足を止める。
その全てがスローモーションの様に流れて・・・オレは咄嗟に・・・
「っ・・・リク!!!」
陸「うわぁ?!や、大和さん?!」
リクの体を被さるように自分の体を重ねる。
ガラガラと倒れ出す物音に、部屋の中からスタッフが飛び出して来るのが見えて・・・
陸「大和さん・・・?大和さん!!」
リクが叫ぶ声が廊下に響いて。
「だ、大丈夫か・・・リク・・・悪いな、急に押し倒したりして」
そう返しながら床に手を着いた瞬間、その痺れるような感覚に思わず肩を押さえた。