第15章 shine of the palm
『天?!ご、ごめんなさい・・・です』
正面衝突した鼻を押さえながら言えば、呆れた顔で天にため息をつかれる。
龍「あはは・・・大丈夫?天はこう見えても鍛えてるから大した事はないだろうけど、愛聖は女の子だからね」
龍・・・女の子扱いしてくれるのは、TRIGGERの中で龍だけだよ・・・
楽「甘やかすなよ、龍。じゃないと愛聖が調子に乗る」
『ちょっと楽!なにそれ!!』
龍「まぁまぁ・・・楽は素直じゃないから」
楽「うっせぇな」
チッ・・・と軽く舌打ちを鳴らして、楽が私をまじまじと見る。
楽「って言うか、なんでお前がここにいるんだ?この局で今日仕事でもあんのか?」
『あ、そうじゃなくて。今日の私はアイドリッシュセブンのサブマネージャーとして同行してるの。紡さんのお手伝いで』
天「こんなドジっ子な愛聖をサブマネにつけるだなんて、そっちの事務所・・・よっぽど深刻な人手不足かなにか?」
うぅ・・・天にそう言われると、返す言葉が見つからない。
人手不足とかじゃなくて、前者の方だけど。
陸「あのっ!・・・お、おはっ・・・おはようございます!!!」
一「七瀬さん・・・このタイミングでとか、空気が読めないにも程があります」
突然割って入るような七瀬さんの元気な挨拶に、一織さんが自分の額に手を当てる。
楽「あぁ・・・おはよう、ごさいます」
七瀬さんの勢いに押された楽が、とりあえずの挨拶を返す。
三「あいつら・・・オレたちの曲を・・・」
大「ミツ、余計な事は言うな。おはようございます、今日はよろしくお願いします」
TRIGGERの姿に悔しそうな顔を覗かせる三月さんを宥めるように間に入り込み、二階堂さんが挨拶を折り返す。
龍「こちらこそ、よろしくお願いします」
天「・・・おはようございます」
陸「あ・・・」
天は、まだ七瀬さんを正面からちゃんと見てはくれない。
でもあの時、新人賞取ったら・・・とか言ってたから、それまでは今まで通りの塩対応のままでいるのかな・・・
陸「天にぃ・・・オレ・・・」
楽「おい」
七瀬さんが天に何かを話そうとした瞬間、楽が七瀬さんに声をかける。
っていうか、おいって・・・
なんでそんなに偉そうに言うの楽は。
まぁ、それもいつもの楽っぽいと言ったら、そうなんだけど。