第15章 shine of the palm
いよいよ明日はサウンドシップか・・・
この前撮った写メを、せっかくだからと逢坂さんがプリントしてくれた物をアルバムに貼りながらカレンダーを見る。
明日の私は、アイドリッシュセブンのサプマネージャーとして局入りする。
小鳥遊プロダクションの人間だというIDカードを社長が作ってくれたし、それを下げていれば局入りする手続きは必要ない。
って言っても。
多分・・・顔パスでも私は入れちゃったりするんだよね。
今までも時々ひとりで局入りする時は、警備の人にIDカード見せようとしても・・・
「佐伯 愛聖さん、おはようございます。どうぞ」
・・・とか言われて、カード出す前に入れて貰えてたし。
もし私のそっくりさんだったら、あの警備員の人はどうするんだろ???
そうそう私のそっくりさんなんていないだろうけど。
余計な心配かな。
『さて、と?いつもより少し早いけど、明日はいろいろ忙しそうだし、寝ちゃおっかな?』
誰に向けて言うわけでもなく呟いて、アルバムを棚に片付ければ、やや控えめなノックが聞こえてドアを開ける。
環「マリー!俺を匿って!」
『匿ってって?四葉さん、誰から逃げてるんですか?』
とりあえず部屋の中に四葉さんを入れてドアを閉めれば、後ろ手にしていた手を四葉さんが私に向ける。
環「こんな時間にアイス食ってるのバレたら、いおりんに怒られっから、一緒に食おうぜ」
『一緒にって、それじゃ私も共犯になっちゃうじゃないですか・・・でもそのアイス、新商品のだし・・・私も気になってたから、今回は共犯します』
環「やった!じゃ、半分こずつしようぜ?」
『いいですね!1度に違う味が食べれるとか、ちょっとラッキーです』
どうぞ?とミニテーブルを出して、そこに四葉さんを招けば、四葉さんは2つある内のひとつを渡してくれる。
環「そーちゃんとか誘っても怒られそうだしさ。りっくんはもう寝てっし。マリーなら、このアイスあげてもいいと思ったから」
『私も一織さんに見つかったら怒られる側になると思いますけど、内緒にしときましょうか』
環「だな。内緒にすると、更に美味いしな。ん・・・これスゲーイチゴの味する。マリー食ってみ?」
半分こって言いながらも、四葉さんがスプーンでひと掬いしたアイスを私の前へ差し出す。