第15章 shine of the palm
スマホで検索をかけてみれば・・・
「男性からルージュを贈られた場合の意味は・・・っと、なになに?・・・ん?・・・んんっ?!痛っ!!」
えぇっ?!
その意味を確認して驚いた拍子にイスごとひっくり返る。
千「モモ・・・なにしてるの?ほら掴まって」
逆さまに見えるユキの顔をマジマジと見つめながら、差し出されたユキの手を掴んで、よっこいしょ・・・と体を起こす。
「ユキ、ルージュを贈る意味を知ってて、マリーにプレゼントしたの?」
千「知ってるよ?だからさっき愛聖は、電話の向こうで狼狽えてたんじゃない?」
それはマリーじゃなくても狼狽えるってば!
「それで・・・マリーはお返しくれるって?」
千「さぁ・・・どうだか?だも僕としてはルージュなんて関係なく、いつでも大歓迎なんだけどね」
マリー・・・その時はオレもお願いします。
なんちゃって!
千「それよりも、だ。僕たちはこれから大仕事が待ち構えてる。そのルージュのCM・・・撮らなきゃなんだからね」
「うん・・・そうだね。オレ、ちゃんと出来るかなって、ちょっと不安だけど」
千「失敗したら笑っちゃえ!って、言わないの?」
「いつもならそうだけど、今回は・・・出来れば失敗しないですぐに終わりにしたいよ」
千「そうね・・・それは僕も同じだよ、モモ」
そんな風に考えてる時オレたちを知ってか知らずか、スタッフがオレたちを呼びに来る。
千「行くよ、モモ。僕たちはモデルでも俳優でもない、ただの泣く子も黙るスーパーアイドルだ。誰かの為に笑って、微笑んで・・・アイドルらしい、いい作品を目指そう」
誰かの為に、か。
それはもちろん、マリーの事だけど。
この撮影が終わったら、打ち上げ代わりにマリーを誘ってドーンとユキんちでご飯食べよう!
今はそれだけを楽しみに、オレもユキに負けないくらい頑張る!
マリーとまた仕事が出来るように、精一杯・・・頑張るんだ。